兵庫人 第11部 建築のこころ
国宝・姫路城の築城から四百年。遺産を受け継いでいくのは、人の手によるほかない。脈々と受け継がれてきた伝統の美。そして、新たな息吹。まちが城を包み、城は地域に輝きを与える。共存とは。遺産があるまちへの問い掛けでもある。
各地で都市の画一化が進み、「街の顔」といえる場所や建物が減っていく。震災は多くの建物を壊し、慣れ親しんだ風景を変えた。ただ不思議なことに、「廃虚」は、どこか力をくれた。
人の熱意と技で新たな「生」を受けた建物は、再び力を蓄え、未来へと新たな記憶を織り重ねていく。