連載・特集 連載・特集 プレミアムボックス

  • 印刷
防災イベントで楽しみながら消火器の使い方を学ぶ親子=1月17日午後、神戸市中央区脇浜海岸通1、JICA兵庫(撮影・青木信吾) 「1・17のつどい」で竹灯籠に火をともす参加者ら=1月17日午前、神戸市中央区加納町6、東遊園地(撮影・青木信吾)
拡大

防災イベントで楽しみながら消火器の使い方を学ぶ親子=1月17日午後、神戸市中央区脇浜海岸通1、JICA兵庫(撮影・青木信吾)

「1・17のつどい」で竹灯籠に火をともす参加者ら=1月17日午前、神戸市中央区加納町6、東遊園地(撮影・青木信吾)

  • 防災イベントで楽しみながら消火器の使い方を学ぶ親子=1月17日午後、神戸市中央区脇浜海岸通1、JICA兵庫(撮影・青木信吾)
  • 「1・17のつどい」で竹灯籠に火をともす参加者ら=1月17日午前、神戸市中央区加納町6、東遊園地(撮影・青木信吾)

防災イベントで楽しみながら消火器の使い方を学ぶ親子=1月17日午後、神戸市中央区脇浜海岸通1、JICA兵庫(撮影・青木信吾) 「1・17のつどい」で竹灯籠に火をともす参加者ら=1月17日午前、神戸市中央区加納町6、東遊園地(撮影・青木信吾)

防災イベントで楽しみながら消火器の使い方を学ぶ親子=1月17日午後、神戸市中央区脇浜海岸通1、JICA兵庫(撮影・青木信吾)

「1・17のつどい」で竹灯籠に火をともす参加者ら=1月17日午前、神戸市中央区加納町6、東遊園地(撮影・青木信吾)

  • 防災イベントで楽しみながら消火器の使い方を学ぶ親子=1月17日午後、神戸市中央区脇浜海岸通1、JICA兵庫(撮影・青木信吾)
  • 「1・17のつどい」で竹灯籠に火をともす参加者ら=1月17日午前、神戸市中央区加納町6、東遊園地(撮影・青木信吾)

 2010年1月17日、阪神・淡路大震災は発生から丸15年となる。震災の記憶の風化が指摘される中、兵庫県は「伝える」をテーマに周年事業の規模を拡大する。市民団体なども節目にふさわしい内容を模索している。被災地の現状をあらためて見詰める機会を生かし、誰に、何を伝えるべきか、考えてみた。

阪神・淡路大震災,震災の教訓,記録,1・17のつどい,復興住宅,独居死,災害復興公営住宅,慰霊祭,追悼関事,人と防災未来センター,震災モニュメント

本文

 来年一月十七日、阪神・淡路大震災は発生から丸十五年となる。震災の記憶の風化が指摘される中、兵庫県は「伝える」をテーマに周年事業の規模を拡大する。市民団体なども節目にふさわしい内容を模索している。被災地の現状をあらためて見詰める機会を生かし、誰に、何を伝えるべきか、考えてみた。(石崎勝伸)

 震災十四年の今年一月十七日、神戸市や市民らが三宮の東遊園地で開いた「1・17のつどい」。土曜日だった上、晴天にも恵まれ、前年より四千人多い約五万人が訪れた。竹灯籠(たけとうろう)に灯をともし、亡くなった人たちの名前が刻まれた「慰霊と復興のモニュメント」の銘板に手を合わせながら、親が子に「あの日」を語り継ぐ姿が目立った。

 「市民による追悼行事を考える会」(事務局・同市中央区)のまとめでは、同日前後に開かれた民間の追悼関連行事は、慰霊祭や震災の傷跡を巡る催し、コンサートなど六十七件で、二年ぶりに増えた。県内の学校や幼稚園での関連行事は千三百九十校園。土曜日は学校園が休みのため前年よりは減ったが、高い水準を維持している=グラフ参照。

 同会世話人の一人で、県国際交流協会顧問の計盛(かずもり)哲夫さん(73)は「地震を直接経験した“震災一世”が年を取ったり、転出したりするなどして減り、『次代に伝えなければならない』という危機感が強まっている」とみる。

 「規模の大小にかかわらず主催者の思いを大切にし、被爆地のヒロシマ、ナガサキのように一世がさらに少なくなっても、震災を語り継いでいけるよう今のうちに定着させておきたい」と話す。

    ◆

 実際、神戸市民の三分の一は、震災後に生まれたか転入してきた人になっている。建物が壊れたり焼けたりした後、残された空き地も、被災地からほとんど姿を消した。慰霊碑などの「震災モニュメント」は、特定非営利活動法人(NPO法人)の調査で二百八十五カ所にあるが、地元でも存在を知らない人が増えている。

 こうした状況を背景に、県は新年度、「十五周年事業」を展開。「大震災教訓発信シリーズ“もっと伝えよう”」と題するセミナーやシンポジウムを通年で開き、毎年一月十七日に同市中央区の人と防災未来センター前で開く「ひょうご安全の日のつどい 1・17のつどい」などの内容も拡充することにしている。

 井戸敏三知事は「日々の社会の中で減災に取り組む『災害文化』を定着させるため、強くメッセージを発していきたい」とする。

 神戸市も、東遊園地での「1・17のつどい」に加え、来年一月十七日に開園を目指す「神戸震災復興記念公園」(同市中央区)での行事を検討する方針。各国の研究者や災害展示施設の関係者らでつくる国際組織は、同日前後に神戸で「世界災害語り継ぎサミット(仮称)」を開き、語り部活動や災害現場の保存などの取り組みを国内外に発信する。

    ◆

 一方、NPO法人「阪神高齢者・障害者支援ネットワーク」(神戸市西区)の黒田裕子理事長は「震災の教訓を発信することも大切だが、今も続く震災の影響にもっと目を向けなければならない」と指摘する。

 六十五歳以上の居住者が50%近くに達し、誰にもみとられずに亡くなる「独居死」が後を絶たない災害復興公営住宅。同法人は以前、一月十七日には地震発生時刻の午前五時四十六分や夕方に紙の灯籠に灯をともす行事を復興住宅の中庭で開いていたが、住民の高齢化とともに、寒さを敬遠し出てこられない人が増えたという。

 このため、今年は周辺に復興住宅が多い同法人の事務所内を会場にし、時間も午前十時からに変更。復興住宅の住民やボランティアら約五十人が集まった。仮設住宅に入居していたころからの知り合い同士も多く、犠牲者への黙とうの後、振る舞いの豚汁をすすりながら旧交を温めた。

 来年は同法人事務所のほか、同市須磨区の復興住宅集会所での開催を計画する。黒田理事長は「近所に友人が少ない一人暮らしのお年寄りにとって、一月十七日に被災者同士で思いを共有することが、また次の一年を生きていく糧になっている」とし「東遊園地などでの行事には遠くて参加しにくい人のためにも続けていきたい」と強調する。

2009/2/22
 

天気(9月6日)

  • 34℃
  • ---℃
  • 0%

  • 35℃
  • ---℃
  • 0%

  • 35℃
  • ---℃
  • 0%

  • 37℃
  • ---℃
  • 0%

お知らせ