兵庫県三田市では１２日、日本の南を進む低気圧の影響で冷えた空気が流れ込み、未明から市街地に３センチほどの積雪があった。県内で最も冷え込むことから「兵庫のチベット」「関西のシベリア」などと呼ばれる同市でも、過去１０年間で最も寒い年始めになっている。同日の最低気温は氷点下２・３度と１５日連続で氷点下を記録。武庫川では凍った水面に雪が積もり、天然のスケートリンクのようになった。氷点下の気温は金曜日ごろまで続く見込み。（喜田美咲）

　気象庁の統計で過去１０年間のそれぞれ１月１～１１日の平均気温を見ると、ここ数年は暖冬傾向が続き、２０２０年は５・０８度と同期比で最高を記録。しかし今年は一転、強い冬型の気圧配置が続いて氷点下０・０８度になり、これは少なくとも１０年間で最低となった。

　日最低気温を見ても、今年は１～１１日の平均が氷点下５・６３度となって前年同期より５・４５度も低く、過去１０年間で最も冷え込んでいる。昨年１２月１２日からの１カ月間では１２日の３・０度、同２８日の０・２度を除いて全て氷点下となり、今年１月９日には観測史上最も冷えた０５年の同１０・６度に迫る同１０・１度を記録した。

　１１日午前は市内も銀世界となり、三輪２を流れる武庫川では水面が硬く凍り、その上に降り積もった雪で一面が白く染まった。

　道路にも雪が積もり、車もいつもより速度を落として走っていた。昼ごろには溶けた雪がみぞれのようになり、滑らないように慎重に歩く人の姿が見られた。