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藤原伸次警部補=加茂駐在所
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藤原伸次警部補=加茂駐在所
二人三脚で駐在所での日々を過ごす藤原伸次警部補夫妻=加茂駐在所
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二人三脚で駐在所での日々を過ごす藤原伸次警部補夫妻=加茂駐在所
上八多駐在所時代に受けた褒賞と広野小学校から送られた感謝のメッセージ
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上八多駐在所時代に受けた褒賞と広野小学校から送られた感謝のメッセージ

■加茂駐在所 藤原伸次警部補

 兵庫県三田市内に7カ所ある駐在所のとりまとめ役「ブロック長」を務める。加茂駐在所(同市加茂)の藤原伸次警部補(56)は、これまで紹介した駐在さん6人にとっては大先輩。「地域に密着した仕事が好きなんです」。今、2度目の駐在所生活に精を出す。

 大学卒業後、1年間の婦人服営業を経て、警察官の道に進んだ。駆けだしの警察学校時代に教官から「君は駐在所タイプだな」と言われ、周囲からも「おっとりとしていて親しみやすい」と評される。

 尼崎北署や生田署での交番勤務を経て2001年、初めての駐在さんは、有馬署の上八多駐在所で始まった。赴任して早々、行方不明の女児が川で遺体となって見つかる事件や、中国道に少女が放置されて死亡する事件が相次ぎ、毎日がめまぐるしく過ぎていった。

 被害の予防にも力を入れた。交通整理中、ヘルメットをかぶっていない少年のミニバイクを体で受け止めたこともある。パンクした自転車を押してトボトボと歩く中学生を見つけた時には声を掛け、修理を試みたり、保護者に連絡したりした。学校まで車で送り届けると、神戸新聞のコーナー「イイミミ」に保護者からお礼のメッセージが載った。

 県警本部が「どこの署員だ」と探すことになり「地域部長褒賞」を受け取った。「今までもらったどの賞よりもうれしかった」と、再び地域密着の仕事ができる喜びをかみしめる。

 加茂駐在所は国道176号沿いの目立つ場所にあるからか、三田駅方面や丹波篠山市からも頻繁に相談者が来る。受け持つ世帯数は1600と市内の駐在所で最も多く「コロナ禍で、巡回連絡が十分にできていない」と危機感を強める。

 とはいえ、区長や学校の先生たちが地域の安全に連携してくれるのはありがたい。「校長先生から『新聞の駐在所紹介に載るのを楽しみにしてます』って言われました」と照れながら笑った。

 上八多時代は単身赴任を選び、休みのたびに自宅と行き来して妻の豊美さん(54)と小学生、幼児の子ども2人に会っていた。そんな長男は今26歳、長女は23歳になり、ともに県外で働いているため、加茂では豊美さんと夫婦2人で暮らす。

 「家族の理解があってここまでやってこられた。定年まであと数年。地道にこつこつ、住民のもとを回っていきます」

     ◇

■温かな人柄に触れ安心感■

 地域の安心安全を守ってくれる警察官だが、どこか近寄りがたいと思う人もいるのではないか。私もそうだった。身近なようでいて謎が多いし、危険な現場に直面しているたくましさからか、正直ちょっと怖い。

 「ドラマの刑事に憧れた」「みんなを助けるヒーローになりたかった」。三田署の駐在所員を紹介する連載「さんだの駐在さん」の取材で警察官を志した理由を聞くと、ほほ笑ましいような答えが返ってきた。当たり前だが、みんな個性ある「一人の人間」だった。

 住民の顔を覚える。相談に乗って解決策を考える。もっと役に立ちたい、と資格の取得を目指す。そこには人を守る地道な努力があった。「コロナのせいで地域の人々と十分に顔を合わせられない」と悔しがる姿も知り、住民たちと同じであろう安心感を抱いた。

 そして、どの駐在さんも言った。「家族の理解があってこそ」と。加茂駐在所の藤原伸次警部補(56)は、妻の豊美さん(54)が癌で手術をしたことがあり、夫婦寄り添って暮らせる今を喜ぶ。「そばにいられるのは安心です」。そう話す2人はとても穏やかだ。

 すれ違うと、悪いことをしていないのに目をそらしてしまっていたお巡りさん。でも、これからはあいさつできるかも。連載を通じて、人、家族の温かさを読者と共有できたらうれしい。(喜田美咲)

=おわり=

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