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三田市が認知症の高齢者ら向けに無料で提供しているGPS発信器。専用の靴に収納することもできる=三田市役所
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三田市が認知症の高齢者ら向けに無料で提供しているGPS発信器。専用の靴に収納することもできる=三田市役所
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 認知症の高齢者が日常生活で不慮の事故などを起こして賠償責任を負ってしまう事態に備えようと、兵庫県三田市は2021年度から損害賠償責任保険に加入し、患者の掛け金を全額負担する制度を運用する方針を明らかにした。こうしたトラブルは全国的な問題になっており、市は保険料などの関連費26万円を盛り込んだ予算案を18日開会の市議会定例会に提出する。(小森有喜)

 市によると、これから契約先の民間保険会社を選び、賠償保険金や特約の内容について検討を進める。外出先で物を壊したり、他人にけがをさせたりした事態に加え、鉄道事故なども想定し、契約1件につき年間2千円程度を市費で負担できるように調整する。

 対象は、介護保険の被保険者で、在宅で介護を受けている▽市の要介護・要支援認定を受けている▽認知症で帰宅困難になる恐れがある-といった状況下にある人々。

 市が無料で貸し出している衛星利用測位システム(GPS)の発信器を利用していることも条件とする。2月時点で、市内の認知症患者約2千人のうち、GPS利用者は3%に満たない46人。これを機に周知を図る狙いもあり、市いきいき高齢者支援課の喜多有希課長は「不慮の事故を防ぎ、本人や家族が安心できる状態をつくりたい」とする。

 警察庁によると、認知症を原因とした行方不明者は年々増加しており、19年の届けは全国で過去最多となる1万7479件に上っている。三田署生活安全課の秦亮人課長は「GPSの位置情報を頼りに家族が見つけ、通報に至らなかったケースも多いはず。いち早く発見するための大きな手がかりになる」としている。

 国は認知症がある高齢者数が2025年に約700万人になると試算。高齢患者の外出中の事故も増えているとみられ、愛知県では男性が電車にはねられて死亡し、JR東海が損害賠償を求めて家族を提訴した裁判(16年に判決)が全国的な議論となった。これを契機に独自に補償制度を導入する自治体が増え、県内では神戸市、尼崎市などが先行している。

 三田市いきいき高齢者支援課TEL079・559・5070

【JR東海の認知症事故訴訟】2007年12月、愛知県大府市で認知症だった男性=当時(91)=が、介護をしていた妻が寝ている間に外出。近くの駅構内で電車にはねられて死亡した。JR東海は振り替え輸送費用など約720万円の損害賠償を求めて妻と別居中の長男を提訴。1審は請求の全額、2審は約360万円の支払いを命じたが、16年に最高裁でJR東海の敗訴が確定。遺族の責任は問われずに済んだが、認知症患者が事故やトラブルを起こせば、家族が賠償責任を問われる可能性について意識されるきっかけになった。

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