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池上彰さんの話に熱心に耳を傾ける学生ら=関西学院大学神戸三田キャンパス
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池上彰さんの話に熱心に耳を傾ける学生ら=関西学院大学神戸三田キャンパス
「コロナでできた時間を有意義に使い、自分で学びを広げて」と呼び掛ける池上さん=関西学院大学神戸三田キャンパス
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「コロナでできた時間を有意義に使い、自分で学びを広げて」と呼び掛ける池上さん=関西学院大学神戸三田キャンパス
自分の学びが今後どのように生かせるか相談する学生=関西学院大学神戸三田キャンパス
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自分の学びが今後どのように生かせるか相談する学生=関西学院大学神戸三田キャンパス

 関西学院大学神戸三田キャンパス(兵庫県三田市学園2)で10日、学部再編を記念したイベントが開かれた。ジャーナリストの池上彰さんが「大学時代に何をなすべきか」をテーマに講演。未来の日本を担う学生たちに向け、自発的に学びを広げる大切さを伝えた。(喜田美咲)

 同キャンパスは今春、これまでの理工学部を理系4学部(理・工・生命環境・建築)に再編し、総合政策学部と合わせて5学部体制となった。学生が文理の垣根を越えて学びを深められる後押しになればと、講演会を企画した。

 オンラインで聴講した上ケ原キャンパス(西宮市)の学生も含め、約630人が熱心に耳を傾けた。

 講演後の質疑応答では、男子学生が「これまで学んできて良かった、おもしろかった分野はありますか」と質問。池上さんは「金融の実務は経済を語る上で必要だと考え、フリーになってから学び直した。またアジアの各国情勢を理解する上で宗教を学ぶ必要性があった。そうやって興味関心は広がっていく」と答えた。

 別の男子学生は、「コロナに対するメディアのあおりが強い。交通事故や生活習慣病への注意喚起は少ない。信頼できる情報源が少ないと思う」と意見。これには、「報道の仕方の見直しは必要だが、予防しても感染して死亡するケースがあるコロナについては、強く呼び掛けないといけない。信頼できる情報かどうかは、書いた人間だけでなく、第三者がファクトチェックをしているかどうかを基準にしている。新聞社によっていろんな視点があるから、読み比べてみてほしい」とアドバイスした。

 記念イベントは全3回を予定しており、14日は建築家・隈研吾さんがポストコロナ時代の建築と都市についてのオンライン講演会を、18日はユーチューバーの「ヨビノリたくみ」さんが神戸三田キャンパスでできる分野横断の可能性について教員とトークセッションをする。

■池上さんの講演要旨

 

 「生徒」から「学生」に変わったように、大学は高校までの教育と違い、自ら学ぶ場所。新型コロナウイルスの感染拡大による自粛期間でできた時間を有意義に使い、興味のある分野の知識を深めてほしい。学んだ常識があれば情報社会に飛び交うデマもすぐに見抜ける。

 世界や日本のこれまでを振り返ると、感染症が歴史の分岐点になることが多い。日本での天然痘は遣唐使が持ち込んだのでは、と言われているが、同時に、国内のグローバル化が進んだ。ヨーロッパで流行したペストの後には、生きることの素晴らしさをうたってルネサンス文化が開花した。

 では今、未来から現在を振り返る視点を持てているか。コロナ禍の混乱がワクチンの開発力向上やデジタル社会の進歩につながるか。未来は若者にかかっている。

 また、コロナ禍が来年までに抑えられるとしても、今後も外国との国交は続く。再び未知のウイルスが来た時、日本社会は耐えられるか。スペイン風邪が流行した約100年前の日本の新聞でも、マスクの買い占めや転売、粗悪品の流通などが書かれている。マスクや防護服など外国製品に頼ってきたから、100年たっても状況が変わっていない。

 差別も繰り返される。スペイン風邪はスペイン発祥ではないが国王が感染したことで国名が付けられた。このようなえん罪を繰り返さないため、感染症に地域名は付けないと教訓にしたはずだが、現在、アメリカでアジア系への暴力などが目立つ。背景にはトランプ前大統領が新型コロナを「チャイナウイルス」と呼んだことがある。歴史を知っていれば防げたかもしれない。

 文理融合はこれからの社会に新たな発想を生み出すために必要になってくる。サークルやさまざまな活動を通して、理系の技術力と文系の社会学やジェンダー的な視点を横断させ、互いの理解を深めていってほしい。

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