三田

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阪神・淡路大震災後のイベントでビールを提供する芸妓の女性
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阪神・淡路大震災後のイベントでビールを提供する芸妓の女性
新型インフルエンザでは三宮でイベントチラシを配布した
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新型インフルエンザでは三宮でイベントチラシを配布した
旅館福袋が入ったコインロッカー
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旅館福袋が入ったコインロッカー

 何とかお客さまに来ていただきたい。しかし、何も打つ手はないということがある。

 お客さまが全く来られない。行くのが不安だから行かない。われわれも来てくださいとは言えない。かといって本当に危ないのかというと、どうなのだろう。だってわれわれは有馬で暮らしている。

 阪神・淡路大震災の後、焦るわれわれにメディアの友達が言った。「タイミングが大事だ」。地震は自然災害だから地球を悪者にできない。だから暴利をむさぼるやつや被災地から盗むやつをたたく。それから復興に動き出す小さな芽を取り上げて、それをだんだん大きく報道する。今はその段階ではないと。

 有馬では、「ここだ」という時に、昼食と温泉のセットを売り出した。夏には芸妓(げいこ)さんのビアガーデンイベントを開いた。メディアが取り上げ、多くのお客さまに来ていただいた。それが契機となり、なかなか進まなかった有馬のマスタープランが一気に進んだ。そぞろ歩きできる今の温泉街が誕生した。

 2009年5月、国内で初めての新型インフルエンザ患者が神戸で発生した。各旅館には翌日からキャンセルの津波が押し寄せ、観光客は皆無となった。「何で有馬ばかりがこんなことになるのか」と天を恨んだが、一つ妙案が浮かんだ。

 お客さまがいないので、従業員は時間がある。普段掃除が行き届かない橋の欄干や公園のベンチ、ともかく有馬中の掃除をしようと考えた。そしてメディアの友達に相談した。「それは良いアイデア。メディア仲間にも伝える」と言ってくれた。いざ掃除の日。過去最高の数のメディアが集まった。

 その後、集まってもらったメディアを中心にイベントを発信した。芸妓さんと一緒に街頭宣伝も行った。大注目を集めた取り組みが「旅館福袋」。09年には1人1万2千円の定額給付金が給付されていたこともあり、その値段で2万円以上の宿泊内容を提供することにした。

 ただ、宿泊先はどこの旅館になるかは分からない。案内所でチェックインして、コインロッカーの鍵を選んでもらう。コインロッカーを開けると旅館のパンフレットが入っているので、その旅館に「御案内~!」という趣向。ものすごい人気で案内所の電話回線がつながらなくなってしまった。みんなはその夏、最高の売り上げになったと言っていた。

 2度あることは3度あった。今回の新型コロナウイルス騒動。さすがに長く、終結のストーリーが見えない。でも終結に向かうターニングポイントはワクチンの職域接種かもしれない。安心感が出る。やろうと決めれば、後は問題点をつぶしていけばいいだけだ。幸い有馬は団結すれば動きは速い。全国に先駆けて接種を行っている。

 現在マスタープラン2を定めている。阪神・淡路大震災の時と同様、コロナ後は、進まなかったことが「復興」というお題目を掲げて進んでいくと考えている。

 有馬のお題目? それはプレミアムな国際温泉リゾート地をつくることです。(有馬温泉観光協会)

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