三田

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田園地帯の向こうに広がる北摂ニュータウン=三田市の有馬富士山頂から(撮影・三津山朋彦)
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 兵庫県三田市の人口が7月末時点で11万人となった。6月末から87人減っており、来月にも11万人を下回る見込みだ。市はニュータウン開発で人口を伸ばしてきたが、2011年から減少に転じていた。かつて10年連続で「人口増加率日本一」を誇った街は今後、急激な高齢化が懸念される。(土井秀人)

 「魅力ある20万都市として発展していくことになる」。1981年、初めて策定した総合計画で、市はこう掲げた。当時の人口は3万6千人台だった。

 この年、フラワータウンの入居が始まった。87年にウッディタウン、92年にはカルチャータウンが街開き。87年から人口増加率が日本一となり、96年には10万人を突破した。

 しかし3地区のニュータウン開発は2015年に事業が完了。人口のピークは11年9月末の11万5061人にとどまった。

 新規分譲地はフラワータウンが既に完売しており、ウッディタウンは残り14戸分(3月末現在)となっている。一方、農村部は市街化調整区域のため、新築住宅が建築できないのが現状だ。

■オールドタウン

 三田市は2018年まで、県内で最も高齢化率が低い自治体だった。しかし急激に人口を伸ばした反動で、高齢化の波は一気に押し寄せる。市の担当者は「高齢化率は毎年約1%ずつ増えている。階段を駆け上がっているような状態」と表現する。「オールドタウン化」の抑制が大きな課題だ。

 人口ピラミッドを見ると、55~69歳の層が県全体と比較しても厚い。ニュータウンに移り住み、人口増加をけん引してきた年代だ。この層が今後、高齢者、後期高齢者となっていく。

 市内の高齢化率は26・1%(21年3月末現在)で、10年前から約10ポイント増加。街開きが一番早かったフラワータウンは30・0%で、市全体より高い数値となっている。

 25年度以降は国や県の高齢化率を超えることが見込まれ、市は40年には40・0%となる予測を立てる。

■若者の流出

 三田市で目立つのが、若者の市外への流出だ。

 20~29歳では、転出者が転入者を上回る「転出超過」が続いており、19年までの5年間で3917人となった。転出先は大阪市や神戸市北区、兵庫県の伊丹市、西宮市、尼崎市などが多い。

 三田市は「三田を離れ、職場に近い場所に引っ越している。神戸市北区は三田と隣接しているが、今も住宅供給があるから転出が多い」と推測する。従来は子育て世代となる30代の転入が多かったが、ニュータウンの土地がほぼなくなった影響もあり、近年は転出超過の傾向にある。

 市の担当者は言う。「入居第一世代の子どもたちが、進学や就職で市外へ出て行って戻ってこない。一方で親たちは残っている。新規の分譲地は、ほぼない。これがオールドタウン化の正体ではないか」

     ◇     ◇

 人口減少局面に入り、三田市も手をこまぬいているだけではない。「人口減少に負けないまちづくり」を掲げ、急激な高齢化への対応を模索する。

 一つが、策定中の「さんだ里山スマートシティ構想」だ。デジタル技術を活用することで、人口が減っても安心して暮らせるまちを目指す。次世代の交通や防災、健康、地域活動に取り組むため、総合商社の丸紅や関西電力、神姫バスなどと連携協定を結んだ。構想は本年度末にまとめる予定だ。

 移住促進にも力を入れている。ニュータウンの新規分譲地がほぼないため、中古住宅の利活用が「鍵」となる。NPO法人「兵庫空き家相談センター」(同県宝塚市)と連携し、売り手、買い手の双方を支援する取り組みを始めた。

 また、新型コロナウイルス禍の影響もあって在宅ワークに注目が集まっているため、移住者が中古住宅を購入する際、在宅ワークスペースの改修費を補助する制度なども設けた。三田市の担当者は「不動産業者によると、中古住宅は需要に供給が追いついていないのが現状という。高齢世帯が元気なうちに将来に備える手助けをし、中古住宅をスムーズに次世代につなぎたい」とする。

 現在、市は2022年春から10年間のまちづくりの指針となる「第5次総合計画」策定作業のまっただ中だ。森哲男市長は「若い人に住み続けてもらうには、どうしたらいいか。移住促進にもより力を入れる。人口減少や急激な高齢化に対応するため、もっと戦略的にやっていかなければならない」と話していた。

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