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大崎博之教授
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大崎博之教授
研究室で考案した「完全」自律分散型フロー制御の動作例
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研究室で考案した「完全」自律分散型フロー制御の動作例

 現在、地球上に存在する、世界最大規模の人工物は何でしょうか。中国の万里の長城(長さ2400キロの大城壁)でしょうか。どのような「規模」を考えるかにもよりますが、規模をその複雑さで考えるなら、間違いなく「インターネット」が世界最大規模の人工物です。

 インターネットは、世界中のコンピューターネットワークを接続した巨大なコンピューターネットワークです。では、そのインターネットは、どのくらい複雑なのでしょう。例えば、2021年の時点で、世界中で何台のコンピューターがインターネットにつながっているでしょうか。

 これに対する答えは、「わからない」です。多数のコンピューターがつながっていることは間違いありませんが、実際に何台つながっているかはわからないのです。台数を数えた人がいないのではなく、台数を数えることができないのです。

 これは、インターネットが「自律分散」型の大規模ネットワークだからです。インターネットは、もともと1970年ごろの冷戦時代に、核攻撃に耐えられる通信ネットワークとして生まれました。インターネットは自律分散システムであるため、インターネットの一部を取り除いても、残った部分がそのまま動き続けます。

 インターネットは、間違いなく大成功した大規模ネットワークですが、これまで、何度も何度も試行錯誤を繰り返して、手さぐりで改良が続けられてきました。というのも、自律分散型の大規模ネットワークをどのように作ればよいかの方法論が、これまでほとんどわかっていないからです。

 その結果、インターネットは多数の問題を抱えています。例えば、インターネットは、「最善努力」型の通信ネットワークです。つまり、できるだけ早く、多くの情報を届けるように努力しますが、実際にどのくらい通信できるかはやってみないとわかりません。確実に通信できることが保証されないため、例えば確実性が必要とされる遠隔手術などにインターネットは使えません。

 われわれの研究室では、次世代のインターネットを実現するため、大規模ネットワークのアーキテクチャ(設計思想や構造)の研究に取り組んでいます。現在のインターネットの問題を個別に解決するのではなく、まったく新しい大規模ネットワークの「作り方」を研究しています。今から30年後の未来に、世界中で広く利用される大規模ネットワークの実現を目指して、研究室の学生と一緒に、日々「ああでもない、こうでもない」と議論を続けています。

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