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けやき台の草むらで見つかった3兄弟=三田市駅前町
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けやき台の草むらで見つかった3兄弟=三田市駅前町
高畑恵さん(中央)らボランティア団体のメンバー=三田市三輪
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高畑恵さん(中央)らボランティア団体のメンバー=三田市三輪
「猫結び」店主の喜道薫さん=三田市駅前町
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「猫結び」店主の喜道薫さん=三田市駅前町
三毛猫のメス「のん」(左)。後から来たオスの「やっくん」(右)といつも一緒にいる=三田市駅前町
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三毛猫のメス「のん」(左)。後から来たオスの「やっくん」(右)といつも一緒にいる=三田市駅前町
TNRのため猫を捕獲するボランティア(提供)
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TNRのため猫を捕獲するボランティア(提供)

 2万7108匹。環境省が発表した2019年度に全国で殺処分された猫の数だ。7割近くが子猫で、ほとんどが飼育されていない猫。小さな命が絶たれる現状がある一方、猫による鳴き声やふん尿といったトラブルが深刻化している。こうした問題を食い止めるため、兵庫県三田市でもボランティアが奮闘。人も猫も暮らしやすい世の中の実現に向け、地道な活動を続けている。(小森有喜)

 ボランティア団体「さんだねこCLUB」(高畑恵代表)。飼い主のいない猫への「TNR活動」を進めている。TNRは、捕獲する(Trap/トラップ)▽不妊・去勢手術を施す(Neuter/ニューター)▽元の場所に戻す(Return/リターン)-の頭文字の略。むやみな繁殖をなくし、殺処分を減らすための最も有効な手段とされており、全国で取り組みが進む。

 同団体には会員15人ほどが所属。地域住民や行政から、トラブル解消に向けた依頼を受けている。いつごろ人前に現れるか、といった猫の行動パターンを把握し、捕獲器を仕掛けて保護。専門のクリニックで不妊や去勢の手術を受けさせた後、地域に返す。

 開腹手術するメスの場合、少なくとも術後1週間は経過観察が必要。ボランティアが自宅で預かって様子を見なければならない。子猫や病気がある猫の場合は、さらに長く保護する必要がある。

 依頼者からは「どうして猫を引き取ってくれないのか」と聞かれることも多いが、人手も費用もかかるためできないのが実情だ。TNR自体がまだ知られていないため、「せっかく捕まえたのになぜ地域に戻すのか」と非難されることもあるが、丁寧に説明しながら活動している。

     ◇  ◇

 駅前町の「里親探しの猫カフェ 猫結び」では、さんだねこCLUBなどが保護して手術を終えたものの、地域に返すことができない猫15匹ほどが、新たな飼い主が見つかるまで時間を過ごす。希望者は住宅状況などの条件を満たせば、2週間の試行期間を経て猫を自宅に迎えることができる。初期医療費は別途必要。

 新型コロナウイルス感染対策で密を避けるため、予約が必要。予約や問い合わせはメール(nekomusubi.sanda@gmail.com)で。また、さんだねこCLUBへの問い合わせは、団体ホームページのフォームで受け付ける。

■三田市、不妊・去勢手術費を助成 ネットで資金募集へ

 猫に関するトラブルを減らすため、兵庫県三田市もTNR推進に動き始めた。2021年度当初予算には不妊・去勢手術に対する補助金を計上。9月からは、ふるさと納税型のクラウドファンディング(CF)を実施する。

 阪神地域のうち、三田を除く6市1町がすでに補助制度を実施。三田市も21年度から始めたが、申請が相次ぎ、7月上旬には申請額上限の40万円に達した。TNRへの関心の高まりを受け、市はCFを検討。9月1日~11月29日、ふるさと納税の仲介サイト「ふるさとチョイス」に掲載する。目標金額は100万円だが、達成できなくても、集まった寄付を全額活用する。

 補助金についても、申請後に猫を捕獲できず、枠が余る場合もあるため、市は「猫への手術を考える場合は相談してほしい」としている。市環境創造課TEL079・559・5064

(小森有喜)

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