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三田市のホームページ。9月から推移グラフなどを掲載している
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三田市のホームページ。9月から推移グラフなどを掲載している
神戸市がホームページで公表している感染者情報
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神戸市がホームページで公表している感染者情報

 「兵庫県三田市は新型コロナウイルスの情報を隠蔽(いんぺい)しているのでは」-。神戸新聞や市議にそうした声が寄せられた。確かにホームページを見比べると、三田市の公表する感染者情報と、神戸市や西宮市、尼崎市などが公表している感染者情報では、圧倒的な差がある。神戸市などが毎日発表している入院や宿泊療養、自宅療養者数といった情報が、三田市にはない。この「格差」は、なぜ生まれるのか。(土井秀人)

 理由は単純で、保健所を自前で設置しているか、いないかの違いだ。三田市など多くの自治体は保健所を持っておらず、設置主体となる県から感染者情報の提供を受けている。三田市の場合、県宝塚健康福祉事務所が管轄している。

 一方、県内では、神戸市▽姫路市▽尼崎市▽明石市▽西宮市-の5市が自前の保健所を設置。それぞれの裁量で情報を発信している。そのため神戸市などはホームページに、感染者の療養状況(入院、宿泊療養、自宅療養、調整中)を掲載。一方で県は、これらの人数を自治体別には公表していない。

 コロナの「第5波」が猛威を振るった際、首都圏を中心に自宅療養中に死亡する例が相次いだ。保健所を持たない自治体の市民は、自分の住むまちで何人が自宅療養を余儀なくされているか知りたくても、知ることができない。

 県感染症対策課の担当者は非公表の理由について「公表が感染拡大防止につながる意義が少ない。自治体から公表を求める声も、記憶の範囲ではない」とする。また、感染者の少ない自治体では個人が特定される不安を持つ人がいることなども挙げた。三田市は「公表は県の権限であり、市では是非が判断できない」とし、公表を求めていないという。

■「データが裏付けに」

 保健所を設置する神戸市や西宮市は、積極的に情報を公開している。

 神戸市は「新聞、テレビのコロナ報道を見て、『わがまちはどうなっているか』と思う市民は多い」とする。特に今春の「第4波」で関西の病床が逼迫(ひっぱく)した際に関心が高まった。ホームページの感染者情報は、市民の「分かりにくい」などの声を反映させて改善してきた。

 自治体は、外出自粛や感染症対策の徹底を呼び掛ける立場だ。担当者は「市民に行動変容をお願いする際、データが裏付けとなる。出せる情報はできるだけ出し、『わがこと』として捉えてもらいたい」とする。

 西宮市は4月から、療養状況の公表を始めた。この時期、感染者の急増を受け、県は原則入院か宿泊療養としていた方針を転換。自宅療養も行うことになった。西宮市の担当者は「感染したらすぐ入院できると思っている市民もおり、実情を知らせる必要があった。現状を知ってもらうことで、感染対策の意識を持ってもらえる」とする。

■大阪、東京は?

 大阪府、東京都はどうか。

 大阪府は、自宅療養者数などを自治体別では公表していない。府の担当者は「必要な情報は公表しており、自宅療養者数などを非公表としている理由は特にない」とする。

 東京都は保健所未設置自治体の要望を受け、昨年9月から療養状況などの提供を始めた。最初は週ごとだったが、同年10月からは毎日行うようになった。多摩市は公表を求めた自治体の一つで、担当者は「市が感染者の状況を把握していないと、注意喚起も難しい。また、感染者数だけを伝えても、市民が正確な状況を把握できない。情報を公開することが、過剰な不安をあおらず、正しく恐れてもらうことにつながる」と話した。

■あくまで防災用、市民への公表不可 実は…県から濃厚接触者数など提供あるも

 実は三田市は、自宅療養者、濃厚接触者の人数については、県から提供を受けている。県宝塚健康福祉事務所から週2回、メールで人数と大字までの住所が伝えられているという。

 市の担当者は「災害時には専用の避難所を開設するため、市も人数などを把握する必要がある」と話す。ただ、防災上の観点での提供であり、「県に確認したところ、市民への公表はできない」とする。

 三田市は保健所未設置市のため独自の感染者情報は持っておらず、県から提供されたものに限られる。つまり、感染者について市が把握しているのは、日々の陽性者数と、週2回提供される自宅療養者、濃厚接触者の人数、大字までの住所となる。

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