三田

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防火服に着替えて出動=三田市消防本部
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防火服に着替えて出動=三田市消防本部
救助隊の先輩と3倍力滑車の仕組みを使った訓練=三田市消防本部
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救助隊の先輩と3倍力滑車の仕組みを使った訓練=三田市消防本部
「何かしてないと不安になるんです」。懸垂で腕を中心に鍛える=三田市消防本部
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「何かしてないと不安になるんです」。懸垂で腕を中心に鍛える=三田市消防本部
普段着の三好さん。愛車と共に
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普段着の三好さん。愛車と共に
大好きな赤色に一目ぼれし、自分へのクリスマスプレゼントとして購入した「トヨタAE86カローラレビン」
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大好きな赤色に一目ぼれし、自分へのクリスマスプレゼントとして購入した「トヨタAE86カローラレビン」

 サイレンが鳴ると、作業の手を止めて駆け出す。防火服に袖を通す。1分足らずで、乗り込んだ消防車は現場へ向かった。三田市消防本部(兵庫県三田市下深田)の三好結友(ゆう)さん(23)は、55年前の開所以来初の女性隊員だ。「早く住民、同僚から頼られる隊員になりたい」。悔しくても反省しても止まらない。入庁3年目、三好さんの24時間を追った。(喜田美咲)

■息つく暇なく

 午前9時、ラジオ体操とともに勤務が始まる。身長153センチ。男性隊員と並ぶと、小柄さが際立つ。

 大阪府守口市出身。高校生の頃、テレビで見た女性救命士の活躍に目を奪われた。神戸医療福祉専門学校(三田市福島)で救急救命士の資格を取り、2019年に入庁。体を動かすことが好きで、人を助ける仕事がしたかった。常に危険が伴うが、ためらわず飛び込んだ。

 勤務は2交代制。8日のうち3日、24時間体制で働く。この日の出動要員は計16人。三好さんはポンプ車と救急を担当した。

 車両点検中の午前9時20分、通報が入った。「空き家から警報音」。ポンプ車で現場に向かい、近くの公園で防火水槽から水を引く準備をしたが、幸い火事ではなかった。帰庁後、点検を再開すると、けが人ありとの通報。今度は感染症対策の防護服に着替え、救急車に飛び乗った。精密検査が必要なため神戸市の県災害医療センターに運んだ。

 午後2時10分、昼食でようやく一息。メニューは焼きギョーザとトマト。「救急担当の日は特に忙しいので、好きなものばっかり詰め込んできました」と一気に食べきる。「バランスを考えて作ってきている日もあります」と苦笑いで付け加えた。

■時間ができれば訓練

 30分後、納車したばかりのはしご車の操作を確認した。いつでも対応できるよう、全員が見て触る。続いて3連はしごの訓練。「掛(か)け金(がね)よし」。腹の底から声を出す。8メートルほどの高さまで登り、傷病者に見立てた人形を救い出した。

 「毎日『またできんかった』の繰り返し。帰り道は反省会」。男性隊員はホースを3本持てるが、自分は2本が限界。泥酔者の搬送で、周囲の人に絡まれそうになった時、先輩が車で待機するよう促してくれた。体格差はあるし、無理をすれば逆に迷惑をかける。理解しているが、悔しい、申し訳ない。

 午後6時、トレーニング室で懸垂。最初は一度もできなかったが、今は17回続けられるように。計12キロのダンベルも持ち上げる。「めっちゃ負けず嫌いです」

■いつかは救助隊に

 午後9時、救助隊の自主練習に交ざる。最前線で活動に当たる同隊。危険も多いが、「小回りの利く体を生かせる」。いつか自分も一員に、と鍛錬を重ねる。

 「最初は『大丈夫かいな』と思ったが、そんな不安を口にする人はいなくなった」と上司の折戸直樹さん(41)。「人一倍努力している。一人前になれるかはこれから」と期待する。

 救急の現場で出会った高齢女性に「女の人がいてよかった」と言われた。話しやすい。元気をもらえた。そんな言葉をかけられるたび、「自分だからできることもある」と感じている。

 風呂を済ませた午前0時から119番対応に当たり、仮眠を取る。午前2時半、「救急指令。交通事故。第1出動」のアナウンス。出番でないことを確認し、もう一度目を閉じる。同6時に起床し、事務作業と受け付け業務。同9時、勤務を終えた。「比較的穏やかな1日でした」。頬が緩んだ。

 「帰ったら少し寝て、300メートルダッシュです」。消防車から赤い愛車に乗り換え、日の昇った街へハンドルを切った。

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