三田

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軽トラの荷台で店を開く山本慎一郎さん=三田市沢谷
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軽トラの荷台で店を開く山本慎一郎さん=三田市沢谷
週に3回、市内の各地に現れる軽トラック=三田市沢谷
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週に3回、市内の各地に現れる軽トラック=三田市沢谷
研究を重ねて作ったオリジナルカレー=三田市沢谷
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研究を重ねて作ったオリジナルカレー=三田市沢谷
軽トラの荷台で店を開く山本慎一郎さん=三田市沢谷
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軽トラの荷台で店を開く山本慎一郎さん=三田市沢谷

 カーキ色の軽トラックの荷台から、カレーの香りが漂う。ある日は沢谷(兵庫県三田市)、またある日は宮脇(同)に現れ、うわさを聞きつけた客が集まる。仕込みのたびに食材やスパイスの組み合わせを変えるため、付けた名前は「山本カレー研究所」。店主は…あれ、どこか別の店でも会いました?(喜田美咲)

 メニューは毎回ワンプレートで、1食千円。この日はサツマイモを皮ごと使ったポタージュスープのスパイスカレーと、甘辛く煮たこんにゃくのキーマカレーの相掛けだった。副菜は、ピンクに染まった通称「エロ卵」やキクイモのスパイス炒めなど7種類。下の雑穀米が見えなくなるほど盛られている。

 「具材をいろいろ載せ始めると、お米が見えてしまうのが不安になってきてね」。スパイスの小瓶が並ぶカウンターから顔をのぞかせたのは、山本慎一郎さん(43)。実は三田駅前の居酒屋「わら焼き酒場」(兵庫県三田市中央町)の店長でもある。昼に副業としてカレーを売るようになり、もうすぐ1年。始めたきっかけは新型コロナウイルス禍だった。

 三田市出身。高校卒業後、大阪の調理師専門学校や無国籍料理店で修業を積み、中華料理の師匠と出会った。「味を調えるということは全てここで学んだ」。ホテルや中華料理店で腕を振るった後、5年前、師匠がオーナーとして開いたわら焼き酒場の店長になった。

 コロナ禍で夜間の営業が制限される中、今年1月、ランチを始めることにした。新たに昼のスタッフを雇う余裕はなく、セルフサービスでも食べてもらえるカレーライスを思いついた。居酒屋のメニューをカレーに入れたり、お通しを付け合わせにしてみたりと試行錯誤。しかし、昼はテークアウトが主流になっていたため、思うほど客足は伸びなかった。ならば自分から外に出てみようと移動販売を始めることにした。

 何か1人で新しいことに挑戦してみたいと思っていた山本さん。コロナ禍を「構想を形にする時間」と捉え、研究に費やした。味の決め手は、居酒屋で使うおでんのだし。若い頃に買ったスパイスの本を引っ張り出し、さまざまな調合や食材との組み合わせを試した。コリアンダーやカルダモン、クミンなどスパイスは常時10種類近く使う。

 これまでおよそ40種類のメニューができた。隠し味よりも多いチョコレートやマンゴー。キウイにレモン。「こんなんカレーに合うん?」と言われそうな具材も、組み合わせ次第でいいアクセントになった。ピンクの卵は中華の発酵食品「紅南乳(ホンナンルウ)」で色づけしている。

 山本さんを応援しようと中学高校時代の先輩が軽トラックを貸してくれた。夜の営業の合間に仕込むと、客が味見をしてくれる。販売する場所も三田でできたつながりで、店や事務所の敷地を借りている。

 ビールケースに板を載せた調理台に、ガスコンロ一つ。キャンプチェアでラジオを聞いて、のんびり客を待つ。新作紹介や出店情報は写真投稿アプリ「インスタグラム」などで発信しており、投稿を見てきてくれる人もいるが、売り上げは日によってまちまち。「営業に行ってもいいけど、それは楽しくない。夜もあるから、昼は頑張らないんです」。それでも継続することに意味があるといい、5月から販売を続けていると、イベントへの出店の声が掛かるようになった。

 「ええ加減やと思われるかもしれんけど、僕にとってはこれが良い加減。自分にしか出せない味ができたと思うので、一度食べてみてほしい」

 午前11時半~午後2時。水曜はエムクラスガーデン・三田(三田市けやき台3)、木曜はありまこうげんホスピタル(神戸市北区長尾町上津)、日曜はかね庵(三田市宮脇)の周辺で営業。出店や休みの情報はインスタグラムやフェイスブックで発信している。

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