兵庫県の三田駅南側の市街地再開発事業で最後に残った「Cブロック」について、事業主体となる組合の設立総会が18日、市内で開かれた。20階建てのマンションに商業エリアが併設される予定で、2026年度の工事完了を目指す。駅前のさらなるにぎわいづくりに向け、本格的なスタートを切った。(小森有喜)
駅前再開発については、1982年に市が約5ヘクタールをA~Dの4区画に分ける構想を打ち出した。Aブロックは商業施設「キッピーモール」や駐車場、Bは住居や高齢者施設など、Dはホテルとし、2017年までに整備を終えた。Cブロックはキッピーモール東側の約1・9ヘクタールで、4区画の中で最も規模が大きい。15年に地権者らが準備組合を発足させ協議を進めてきた。
区画南側に「コ」の字型に建つマンションは20階建てで540戸規模。北側に併設する商業施設は3階建てで、JR三田駅からデッキを通じて直接行き来できる構造になる予定だ。
建設の事業協力者は熊谷組(本社・東京都)。総事業費は約250億円を見込み、うち約90億円を市や県、国が助成する。準備組合は9月下旬、市を経由して県知事に再開発組合設立を申請。11月15日に認可を受けた。今後、地権者57人の権利変換申請に向けた話し合いを経て23年度の着工を目指す。
設立総会で森哲男市長は「これまで多くの方々が力を合わせてこられたことに感謝申し上げたい」とあいさつ。再開発組合の吉本尚登理事長は「にぎわいを取り戻し、次世代に残せるようなまちづくりに向けて取り組みたい」と話した。
