「もしもし~。息子か。え、会社の金をなくしたから貸してほしいって?」。白髪のカツラにヒョウ柄のスカーフ。お年寄りをまねた口調はプロの芸人顔負けだ。三田署生活安全課(兵庫県)の秦亮人(さやひと)課長(59)。特殊詐欺の被害防止を呼び掛ける「防犯漫才師」として活躍を続ける。(喜田美咲)
漫才歴はおよそ10年。この間、配属先のイベントなどで計70回ほど公演してきた。
始まりは朝来署地域課長時代の2012年。吉本興業の漫才師から警察官に転身した男性巡査部長=当時=の上司になったことがきっかけだった。巡査部長は大学在学中に吉本のオーディションに合格。現在もテレビや舞台で活躍している人気芸人とコンビを組んでいた。コンビ解消後、もう一つの夢だった警察官の道に進んだという。
秦さんは巡査部長の面白さに感心。話術を生かし、お年寄りの詐欺被害を防ぐ広報役を担ってもらおうとコンビを結成した。コンビ名は、当時の役職や階級にちなみ「部長課長」とした。
秦さんが書いた台本を巡査部長が手直し。「話が行ったり来たりしないように」「テンポよく」などと「指導」を受けた。最初は2人とも制服姿だったが、身近に感じてもらおうと、秦さんが詐欺の被害に遭いやすいおばあさんに変身。同居している89歳の母を観察し、眼鏡やかっぽう着、話し方などをまねた。
13年1月に初舞台。約1年間で50回ほど発表した。異動でコンビを解消した後も「教えてもらったことを生かさないともったいない」と、行く先々の勤務地で部下と活動を続けた。
「ATMに行くんですか」「自信ないです」「電話でやり方教えてくれるんですか」。詐欺犯から電話を受けたおばあさんになりきり、実際に被害を受けた人から聞いたやり取りを織り交ぜる。見ているお年寄りのためにゆっくり話し、耳に残るよう同じ言葉を繰り返すのが基本だ。
今月2日にあった「さんだ桜まつり」では、秦さんがおばあさん役を、課員がサングラスをかけた犯人役を演じ、特殊詐欺被害への注意を呼び掛けた。
犯人から電話を受けたおばあさんが「あんたほんまに息子か。声が違うしなんか怪しいなあ」と客席に問い掛けると、観客は「だまされちゃだめ」と手を横に振って答えた。おばあさんは警察に相談し、事なきを得た。
スーツ姿に戻った秦さんがつぶやく。「よく知っているおばあちゃんが何度も詐欺被害に遭った。認知症だった」。お年寄りは自分は大丈夫だと思ったり、すぐ忘れてしまったりすることがある。「だから繰り返し伝えようと思う。ちょっとおかしいなと感じた時、身近に頼れる存在がいるということも」。来春で定年退職を迎える。「退職した後も地域に出てボランティアで防犯を伝えていきたい」と話した。

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