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「ONE MUSIC CAMP」の様子=三田市波豆川(2017年8月、PhotobyShihoAketagawa)
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「ONE MUSIC CAMP」の様子=三田市波豆川(2017年8月、PhotobyShihoAketagawa)
仲間たちとフェス運営を続けてきた野村優太さん(左)と深川浩子さん=大阪市内
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仲間たちとフェス運営を続けてきた野村優太さん(左)と深川浩子さん=大阪市内

 アスレチックやプールを備えた兵庫県三田市波豆川のキャンプ場「三田アスレチック」を会場に、若者たちが手づくりで続けてきた夏の野外音楽フェス「ONE MUSIC CAMP(ワン・ミュージック・キャンプ)」。コロナ禍での2年連続中止という苦難を乗り越え、今年8月、3年ぶりの開催を目指して準備を進めている。インターネットで資金を調達するクラウドファンディング(CF)で支援を募りながら、フェスの灯をともし続けた運営事務局の中心メンバーに、今の思いを聞いた。(黒川裕生)

 「ONE-」は2010年に誕生。ロックやヒップホップなどを中心とする音楽ファンをうならせる絶妙なラインアップと、子連れでも気兼ねなく楽しめるキャンプ型のフェスとして人気を集め、小規模ながら全国的な知名度も誇る。

 もともとは音楽好きの若者たちが「自分たちでも音楽フェスを開催してみたい」と見よう見まねで始めたイベント。回を重ねるごとにファンを増やし、ロックバンド「くるり」など国内外の人気アーティスト37組が出演した10周年記念の19年には、2日間で延べ2600人が来場した。

 次の10年を見据えた大切な一歩となるはずだった20年は、コロナ禍の影響で夏前に中止が決定。大口のスポンサーはついておらず、ほぼ全ての資金をチケットとグッズ販売、フードや物販の出店料でまかなっているため、中止によって広告費やキャンセル料などが一気に赤字としてのしかかる事態に陥ってしまう。

 危機的状況を打開しようとCFで運営費の支援を呼び掛けたところ、イベント存続のために209万円余りと温かいメッセージが届いた。どうにか次に希望をつなぐことができた。

 ところが翌21年は、本番わずか3日前に中止が決まるという非常事態に。「開催するか中止するか、最後の最後まで協議を重ねました」と事務局の野村優太さん(33)は振り返る。

 事務局メンバーはそれぞれ会社員やデザイナーなどの本業を持ち、フェス事業に関してはそもそも門外漢の集団。東京在住の野村さんも、開催の可能性が危うくなり始めてから1週間ほどは、大阪のホテルに泊まり込み、日中はリモートで仕事をこなしつつ、夜は関西在住のスタッフらと対応を話し合ったという。

 「開催を主張する人もいれば、医療態勢確保の難しさを理由に二の足を踏む人もいて、議論は平行線。かと思えば、開催を強行した他の音楽フェスがその是非をめぐって炎上状態になったり…。感染者数も含めて状況が目まぐるしく変わっていくので、大阪滞在中はほとんど寝られませんでした」(野村さん)

 会場に出る飲食店の仕入れや、設営が完了していた音響設備の撤収など、土壇場で中止が決まったことによってあらゆるところに影響が生じたため、野村さんたちは後始末にしばらく忙殺されることに。それでも事務局の深川浩子さん(40)は「三田や波豆川の皆さんに迷惑をかけるわけにはいかないので、中止の判断は結果的に良かったと思う」と受け止める。

 21年もCFを実施し、約147万円の支援に救われた。そして今年。感染状況を警戒しながらも、8月27、28日の2日間、3年ぶりとなる開催に向けて準備が本格化してきた。

 それにしても「2年連続中止」という苦難に見舞われても、投げ出したくはならなかったのだろうか。

 「なりませんよ」と野村さんたちは即答する。「そもそも無事に開催できた年だって、大変すぎて毎回『もうええわ』と思っているくらいですから」

 「フェス運営はすでに私たちのライフワークになっている」と深川さん。「自分たちの『好き』から始まった野外フェスですが、今は三田の方や、老若男女が楽しめる『お祭り』として地域に根づいています。この先も『ONE-』が特別な音楽体験と文化の発信地となっていけば、と考えています」

 発売中の各種チケットなど、詳しくは公式サイトで。

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