約60年前に植えた球根が、今年になって初めて花を咲かせた。毎年、青い葉を付けては枯れ、付けては枯れてを繰り返していた。兵庫県三田市の民家にあるササユリ。植物分類学の研究者も「初めて聞いた」と驚く。(土井秀人)
咲いたのは、茶華道教授田守栄子さん(92)の庭。田守さんは約60年前に加東市(旧社町)にある寺の山に出掛け、「お寺の許可をもらって、自生しているササユリの球根をもらった」という。
自宅の庭に5~6個を植えた。約70年かけて1人で作り上げた庭は、オオヤマレンゲやナツツバキ、リキュウバイなど茶席に使う花、コケ、木々で彩られている。90歳を超えた今も毎日自分で草を引き、手入れを欠かさない。
ササユリは毎年1本だけが20センチほどの茎を伸ばし、葉を付けていた。花は咲かないが、そこは触らず見守り続けた。
今年5月下旬、小指サイズのつぼみに気付いた。6月4日の夕方には開花し、白い花が芳香を漂わせた。「あきらめていたから驚いた」と田守さん。
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「60年たって咲いたというのは初めて聞いた。多年草とはいえ、ずいぶん長生き」と話すのは、県立人と自然の博物館の高野温子主任研究員。植物分類学が専門だ。
ササユリは山地の草原に生え、種から開花まで7年ほどかかるとされる。「植物にとって花を付けるということは、ものすごいエネルギーが必要となる」という。
植物は光合成で栄養を蓄え、葉を付け茎を伸ばす。蓄えが十分になると、花を付ける「スイッチ」が入るという。スイッチは、日照時間や温度など外的な環境が影響する。
ササユリの場合、地上の茎や葉は毎年枯れるが、地下では同じ球根が生き続け、栄養を蓄える。今回は花が咲いていた球根を持ち帰ったことから、開花するための栄養はあったとみられ、高野さんは「環境が変わり、うまく花を付けるスイッチが入らなかった。今年はスイッチが入る要因がそろった」とする。
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ちなみに。開花まで数十年かかる植物としては、リュウゼツランが知られる。英語では「センチュリー・プラント(世紀の植物)」と呼ばれ、神戸新聞でも度々、開花の記事が取り上げられている。
リュウゼツランは一度花を咲かせると、株は枯れてしまう。高野さんは「リュウゼツランはたくさんの花を咲かせて実を付けるため、繁殖で蓄えを使い果たす」とする。
一方、ササユリは毎年、開花する。田守さんの庭では花を咲かせただけでなく、新芽も出ており、「生命力に感動した。ササユリは乱獲されて減っているという。植物を大切にしてほしい」と話した。

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