自治体が公表している待機児童数はあくまで国の基準に従って算出したものであり、矛盾もあると指摘される。例えば兵庫県三田市の1歳児でみると、希望者に対して21人分の受け皿が不足しているにもかかわらず、待機児童数は3人。なぜか。原因を調べてみた。(土井秀人)
そもそも待機児童数とは?
保育の必要性が認定されて入所を希望している人で、認可保育所・施設に入所できていない人の数。
ただしこれは厚生労働省が基準を示しており、「特定の保育施設を希望」「育児休業中」「求職活動を休止」などは待機児童数から外されている。外された人数の合計が「隠れ待機児童数」「潜在的待機児童数」などと呼ばれる。
受け皿が足りないのに、三田市の1歳児の待機児童数が3人だけになるのはなぜ?
1歳児を育てる保護者は育児休業から復帰する時期に当たり、保育希望者が集中しがちだ。2022年度、保育を申し込んだ三田市の1歳児は294人おり、うち希望施設に入所できたのは265人。残りの29人は希望施設には入れず、入所を待っている状態だ。
しかし、1歳児を受け入れられる認可施設の空きは、市内で8人分しかない。29人が入所を待っている中、空きは8人なので、21人は希望施設を変えても入所できない。
一方で待機児童数の算出は厚労省の基準に従うため、入所待ちの29人から、企業主導型保育事業を利用=4人▽特定施設を希望=21人▽育児休業中=1人-を除いた3人が待機児童数となる。ここで矛盾が生まれる。
「特定施設を希望」とは。
1次選考で入れなかった際、市が他に利用できる認可施設などを紹介したにもかかわらず、入所しなかったケースを指す。
厚労省は、利用可能な施設について「立地条件が登園するのに無理がない」と挙げる。例として、「通常の交通手段で自宅から20~30分未満で登園が可能など、地域の地理的要因や交通手段の違いを考慮した上で、通勤時間、通勤経路などを踏まえて判断する」とある。
三田市の場合は「車の利用を前提としており、全ての施設が登園可能」としている。これは、認可施設がニュータウンや三田駅周辺に集中している三田ならではの事情があるといえる。
「特定の施設を希望」の基準は自治体によって違う?
自治体によって異なる。県内の政令市、中核市でみると、尼崎市では「希望する園が3カ所以下」を、特定施設を希望としている。これは「自宅から徒歩10分、自転車5分圏内」と想定した場合、市内で最も保育所の少ない地域の施設数が4カ所だったため。国の例示より厳しい運用といえるが、尼崎市の担当者は「実態に即した数字を把握し、対策を立てるため」と話す。
明石市は、希望施設が一つのみ▽近隣の2施設のみ希望▽第1希望の園から半径500メートルの施設のみを希望-としている。
姫路市は、希望施設が一つのみ▽空きのない施設を希望▽市内を七つのブロックに分け、住んでいるブロックに空きがあるのに希望しない-とする。
神戸市は登園可能な基準について「地域によって判断している。あくまで一例だが、北区のある地域では『車で10分程度』としている」。西宮市のように「地域によって異なる」とした上で、「平坦な場所であれば自転車で30分以内は登園可能」とする自治体もある。
ある自治体の担当者は「待機児童ゼロになったからといって、保育ニーズを満たしている訳でないことは重々承知している」と打ち明ける。
三田市で待機児童から除外された人数の内訳は?
0~5歳児で103人いる。内訳は、企業主導型を利用=15人▽特定施設を希望=86人▽育児休業中=2人。
特に受け皿が足りていないのが、1歳児、3歳児だ。1歳児は入所待ち29人に対し、空きは8人。3歳児は入所待ち20人に対し、空き15人となっている。
少子化のため保育の希望者数は22年度から減少に転じており、市の担当者は「今後は施設を増やすのではなく、定員の弾力的な運用などで対応したい。待機児童は減っているので、細かな保育ニーズをつかみ、対策をしていきたい」とする。

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