■黒田有寿茂主任研究員
2020年10月、山口県下関市の海岸を車で走行中、港湾内の泥地でパッチ状に生えている植物が目に留まりました。それがヒガタアシ(学名=スパルティナ・アルテルニフロラ)でした。
ヒガタアシは北アメリカ東部原産のイネ科の多年草で、その名のとおり「干潟」に生育します。塩分に耐性があり大きく広がることから、海岸を開発したり強い波から保護したりすることを目的に、世界各国に持ち込まれました。
しかし、ヒガタアシの繁殖力はとても強く、植えた場所から種子や地下茎が広がることで、干潟一帯を草原に変えてしまいます。1970年代に持ち込まれた中国では、在来の干潟の生き物が衰退し、水産業などにも支障が出ているようです。
日本において、ヒガタアシは2008年に愛知県豊橋市で初めて確認され、その後10年に熊本県、そして山口県と、発見地点数が増えてきています。意図的に導入された事例はないことから、外国からの物資に種子が混入するなどし、非意図的に持ち込まれたと推測されます。
もともと植生のほとんどない干潟にヒガタアシが広がれば、景観は一変し、生態系も損なわれる可能性があります。こうした脅威から、14年にはヒガタアシを含むスパルティナ属植物の全種が特定外来生物に指定されました。
ヒガタアシはぬかるんだ泥地に生え、再生能力に優れています。このため、いったん広がってしまうと根絶するのは容易ではありません。拡大を防ぐには、早期発見と迅速な駆除の開始が必要です。
山口県で見つけた時には、ヒガタアシに詳しい専門家や関係の行政機関にすぐに連絡をとりました。そのかいあって、種の同定や対応の検討が早く進められ、翌21年には駆除が開始されました。
ヒガタアシは定着の初期、円形のコロニーをつくります。河口付近に生える在来で大型の植物に同じくイネ科のヨシがありますが、ヒガタアシはヨシよりも海側に進出することができます。葉を密生させ、干潟に群生する様子は独特です。
ヒガタアシは近畿地方にも今後侵入するおそれがあります。疑わしい植物を認めた場合には、地方環境事務所や最寄りの自治体、博物館などにご連絡ください。
県立人と自然の博物館では、ヒガタアシの効果的な防除に向けた情報発信を目的に、ミニ企画展「干潟に侵入する脅威の外来植物ヒガタアシ」を8月13日から10月15日に開催します。栽培許可をとり、鉢に植えた状態でヒガタアシを展示します。ぜひお越しください。

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