■高野温子主任研究員
オチフジという花の名を聞いたことはありますか?オチフジは、花の咲く姿がフジの花が散り落ちたように見えるシソ科の植物です。全長十数センチほどの小さな体に不釣り合いな3、4センチの大きな紫色の花を幾つも咲かせます。1932年に和歌山県の高野山で発見され新種記載されましたが、同県ではもう20年以上も確認がなく、現在日本で確実にその姿を見ることができるのは兵庫県の西播磨地域だけです。
国内でもなかなかお目にかかれない植物なのですが、なんと2011年に中国の福建省と浙江省から見つかったという、驚きの報告がなされました。中国から報告されたオチフジは、本当に日本のものと同じ種なのか?という疑問を持ち、日本や中国の研究者と共同で、日中の大学や博物館に保管されたオチフジの標本を調査しました。DNA塩基配列を用いて日中のオチフジとその近縁種の分子系統解析や分岐年代の推定を行い、日本と中国のオチフジの違いや、進化史の推定を試みました。
標本調査などの結果、中国産オチフジは日本のオチフジよりも背が高く、大きな葉を持ち、かつ花数も多いなどさまざまな違いが見つかりました。また中国側の研究者に花の写真を多く提供していただいた結果、花弁に日本のオチフジには見られない濃紫色の斑点があることも分かりました。核と葉緑体遺伝子の塩基配列を用いた集団遺伝解析を行ったところ、現在の日本と中国のオチフジには全く遺伝的交流がないことも分かりました。
さらに分岐年代分析の結果、日本と中国のオチフジはおよそ650万年前の第三紀の後半に分岐したと推定されました。この時代は地球全体が寒冷化するとともに、ベーリング陸橋が出現してユーラシア大陸と北米大陸が地続きになった時代です。オチフジが属するラショウモンカズラ属は北米に1種、東アジアに6種が知られていますが、北米にある1種はこの時代にベーリング陸橋を渡ったものと考えられています。他の種は寒冷化と共にユーラシア大陸を南下したと考えられていますが、オチフジの祖先はその際ユーラシア大陸を南下した集団と、日本列島を南下した集団に分かれたのではないかと推定されます。
いずれにしても、現在の日本と中国のオチフジは形態的な特徴に明確な違いがあること、遺伝的な交流が全くないことから別の分類群とするのが妥当と判断し、中国でオチフジとされていた植物に「Meehania zheminensis(ミーハニア ゼミネンシス)」という名前を付けて新種記載を行いました。

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