三田

  • 印刷
プロ入りを目指す選手が所属する兵庫ブレイバーズ(提供)
拡大
プロ入りを目指す選手が所属する兵庫ブレイバーズ(提供)
「マウンドに立つと次も投げたいという思いがみなぎる」という小笠原投手(提供)
拡大
「マウンドに立つと次も投げたいという思いがみなぎる」という小笠原投手(提供)
プロへの返り咲きを狙う元巨人の工宜投手(提供)
拡大
プロへの返り咲きを狙う元巨人の工宜投手(提供)
クラウドファンディングのQRコード
拡大
クラウドファンディングのQRコード

 兵庫県三田市を拠点に活動するさわかみ関西独立リーグ球団「兵庫ブレイバーズ」が、球団の運営資金をインターネット上で募るクラウドファンディング(CF)を始めた。目標金額は100万円で、ドラフト会議の際にファンと交流するイベントを開いたり、競技に必要な備品購入に活用したりする予定だ。(喜田美咲)

■選手に固定給なし、週6でバイトも

 同球団には現在、41人の選手と監督、コーチら4人のスタッフが在籍する。選手に固定の給料はなく、日々の練習の合間を縫ってアルバイトで稼ぎ、食費や折れたバットの買い換えなどに充てている。

 「もっとトレーニングの時間を増やしたい」。2019年3月に入団した小笠原智一投手(21)は2人部屋の寮で生活しながら、週6日は飲食店でアルバイトする。午前から昼過ぎまでは練習。夕方から4、5時間店で働いた後、時間があればジムへ通う。

 神奈川県出身。兄は東海大相模高校時代にエースとして夏の甲子園を制覇し、現在はプロ野球中日ドラゴンズで活躍する小笠原慎之介投手。自身も幼い頃から野球を始めた。

 中学3年生の時、兄がドラフト会議で中日に指名された。しかし同球団が一度くじを外した後の1位指名だった。「ずっと背中を追ってきた人ですら『外れ1位』だった。その時、自分にプロは無理だと思った」。一度は夢を諦めたが、高校時代のコーチから後押しされ、福島県郡山市の企業チームに進んだ。もう一度プロを目指そう、そう思っていた矢先にチームが解散した。当時の指導者から兵庫ブレイバーズの前身の球団を紹介された。社会人チームと異なり、給料はないが迷わず飛び込んだ。

■「うどんや餅はありがたい」

 仕送りはなく、ぜいたくはできない。「スーパーの数十円のうどんや(おなかにたまる)餅はありがたい。野菜は高いから栄養はサプリに頼ることが多いです」

 今シーズンは先発で調子が出ない試合が多かったが、徐々に自分のペースをつかみつつあるといい、「投げられる試合は全勝したい」と意気込む。「ブレイバーズのファンは温かく、交流が楽しい。『独立リーグって何?』と思っている人も一度見に来て応援してもらいたい」と話す。

■コロナ禍で資金調達厳しく

 球団が今回、運営資金への寄付を呼びかけた背景には、ファンを増やす狙いのほか、資金繰りの難しさもある。現在の運営は主に地元スポンサーに支えられているが、新型コロナウイルス禍の影響もあり、今後も安定した支援を受けられるかは不透明な状況が続いている。

 球団はこれまで、選手による地元小中学生へのあいさつ運動や野球教室の開催、街の清掃活動などで地域への浸透を図り、三田を中心にファンづくりを進めてきた。今回、より多くの市民に球団の存在を知ってもらい、地域の野球チームとして支援の輪を広げようとCFを始めた。

■5千円から

 CFは、スポーツ専門のCFサイト「スポチュニティ」で10月18日まで実施する。5千円から寄付でき、金額に応じて、選手からのサインと1試合観戦分のチケット(5千円)▽始球式での投球か場内アナウンスの体験とチケット4枚(2万円)▽アメニスキッピースタジアムでのチームとの交流試合とチケット20枚など(30万円)-といったリターンがある。選手らに米などの食料やプロテインを援助するといったリターンの方法もあり、選手が練習に専念できる環境づくりにも寄与できる。

■プロ球団が注目の選手も

 球団は今シーズン48試合中38試合を終え、13勝23敗2分け。チームは苦しい状況にあるが、プロ球団から注目されている選手もおり、今年のドラフト会議にも期待がかかる。川崎大介球団代表は「野球アカデミーの開講(10月から)や、他業種とのコラボなど、資金調達の方法を広げてきたが、スタッフに給料を払うのも精いっぱいなのが現状。若者の夢を応援する場所を一緒に支えてほしい」と話している。

 同球団TEL079・556・5702

三田スポーツ
三田の最新
もっと見る
 

天気(10月27日)

  • 23℃
  • ---℃
  • 10%

  • 20℃
  • ---℃
  • 50%

  • 23℃
  • ---℃
  • 10%

  • 23℃
  • ---℃
  • 20%

お知らせ