三田ゆかりの落語家が出演する「さとのね寄席」が19日、兵庫県三田市総合文化センター・郷の音ホール(同市天神1)であった。市在住の笑福亭瓶吾(びんご)さんや、市出身の桂三語さんらが高座に上がり、約180人が巧みな話芸を堪能した。(小森有喜)
さとのね寄席は、幅広い世代の人に伝統芸能を楽しんでもらおうと、同ホールが設立された2008年から毎年実施している。瓶吾さんは三田学園出身で、三語さんはゆりのき台中、有馬高校出身。昨年に引き続き出演した。ほかに、三語さんと同じく桂文枝一門で女性落語家の桂三扇(さんせん)さん、2018年に入門した若手の桂源太さんも登場した。
三語さんは「二人癖」を披露。「のめる」が口癖の男が「つまらん」が口癖の友人と互いの口癖を言ったら罰金を払う勝負をする話で、軽快な語り口で客席を沸かせた。本編に入る前の「まくら」では、母校ゆりのき台中を訪れた際のエピソードも語った。
「トリ」を務めた瓶吾さんの演目は、小倉百人一首の崇徳院の和歌を題材にした古典落語。若旦那が美しい娘に一目ぼれし、幼なじみの熊五郎がその女性を探し回る。30分程度と比較的長い一席だが、恋煩いをする若旦那と、それに振り回される熊五郎らを巧みに演じ分けて観客を魅了した。
終演後、瓶吾さんは「去年のように感染対策で座席の間隔が空くこともなく、たくさんの方の笑い声が聞けてうれしかった」と笑顔を見せ、「地元は独特の緊張感がある。来年もぜひやりたい」と意気込んでいた。
観覧した富士小3年の男児(8)と同1年の男児(6)は落語が大好きな兄弟。瓶吾さんが講師を務めた落語を学ぶワークショップに参加したり、自宅で落語のCDを聞いては自分で演じたりしているという。8歳の男児は「話の展開を想像しながら楽しめた。プロはすごいと思った」と満足そうだった。
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