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29日にオープンするコレクショナリウム=三田市弥生が丘6
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29日にオープンするコレクショナリウム=三田市弥生が丘6
ずらりと並んだ昆虫の標本=三田市弥生が丘6
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ずらりと並んだ昆虫の標本=三田市弥生が丘6
鳥類の剥製=三田市弥生が丘6
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鳥類の剥製=三田市弥生が丘6
施設を紹介する高野温子主任研究員=三田市弥生が丘6
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施設を紹介する高野温子主任研究員=三田市弥生が丘6
温度や湿度が管理された保管庫=三田市弥生が丘6
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温度や湿度が管理された保管庫=三田市弥生が丘6

 開館30年を迎えた兵庫県立人と自然の博物館(ひとはく、三田市弥生が丘6)は29日、標本や資料の新収蔵庫棟「コレクショナリウム」を敷地内にオープンさせる。展示ギャラリーで一部の標本や剥製を見学することができ、研究員らによるセミナーやワークショップを開くスペースも併設する。29、30日には開設イベントを実施する。(小森有喜)

 ひとはくが保管する標本や資料は200万点を超え、既存の設備では手狭になっていた。「増えすぎたのであれば重複する種の標本を廃棄すればいいのでは、という声もあるがそういうわけにもいかない」と話すのは高野温子主任研究員(51)=植物分類学。

 保有する標本が少ないと、例えばある生物が新種なのかどうかを判別する際、その特徴が個体差によるものなのか、種によるものなのかが分からない。また同じ種の標本でも、場所や年代ごとに蓄積があることで、時代の変遷や地域ごとの特徴をつかむことができる。さまざまな研究の要となる膨大な標本をきちんと保管し、未来に残していくことも博物館が担う重要な役割だ。

 コレクショナリウムは、3階建て(3階は機械室)で延べ床面積約1510平方メートル。「コレクション」と「~にまつわる場所」を意味する接尾語「-arium(アリウム)」をかけて名付けられた。植物標本が約54万点保管されるほか、昆虫標本、鳥類や哺乳類の剥製計約750点はガラスの外から見学できるようになっている。2階にある植物標本は通常非公開だが、定期的にツアーを開催予定。図鑑や書籍を自由に読めるコーナーもある。29、30日の午後1時半、同2時半、同3時半には「ギャラリートーク」を開催。1階を研究員が案内する。

 29日午前に記念式典(関係者のみ)があり、午後1時から一般公開。29、30日は記念イベント「ひとはく30祭」がある。コレクショナリウム前の広場を大きな黒板に見立ててチョークで絵を描く「黒板ヒロバ」のほか、彩色勾玉(まがたま)や恐竜缶バッジ作り、ヤドカリの行動観察など幅広いイベントを企画する。

 コレクショナリウムは入場無料。また29、30日のみ本館も入場無料になる。午前10時~午後5時。月曜休館。ひとはくTEL079・559・2001

■多彩な展示やセミナー 人と自然の共生テーマに30年

 人と自然の共生をテーマとした「県立人と自然の博物館」。自然史系の博物館としては西日本最大級で、収蔵資料は200万点を超える。

 1992年10月に開館し、県内外から年間10万人以上が来館。動植物や昆虫、恐竜などさまざまな分野に関する常設展や企画展、研究員らによる多彩なセミナーが開かれている。移動博物館車「ゆめはく」を活用し、県内外の商業施設や学校を訪問する事業にも力を入れる。

 職員の一部は県立大学自然・環境科学研究所の教員を兼務。研究活動と並行し、資料や標本の収集や管理、展示やセミナーなどの企画に努める。

 2006年に丹波市山南町で大型植物食恐竜の化石が発掘された際には同館の研究員が発掘調査を主導。新種と断定し学術名を付けた。世界的な霊長類学者の故・河合雅雄さんが2代目館長を務めた。現在の館長は中瀬勲さん。

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