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悪質商法の被害軽減へ講演活動を始める上田さん=三田市弥生が丘1
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悪質商法の被害軽減へ講演活動を始める上田さん=三田市弥生が丘1

 マルチやキャッチセールスといった悪質商法。手口は巧妙かつ多岐にわたる。現在、再び注目を集めている霊感商法もその一つ。「家に悪霊が取りついている」などと不安をあおり、高額なつぼや数珠を購入させる手口が一般的だ。悪質商法の捜査に携わった元警察官が、注意を呼びかける講演を開始。要望があれば地域に出向いて、住民向けに出張講話する。(喜田美咲)

 北摂コミュニティ開発センター(三田市弥生が丘1)の職員で元兵庫県警警視の上田容之さん。警察官時代は10年以上、県警本部生活経済課に所属し、経済事犯の取り締まりなどに努めてきた。退職後も自身の経験を市民の不安解消に役立てようと、講演活動を企画した。

■不要な作業追加高額請求

 上田さんによると、最近目立つのが「トイレが詰まった」「家の鍵が開かない」といった緊急時、レスキューサービスをかたり、パニックになっている消費者の心理につけ込む商法。インターネットのサイトには安い基本料金のみを表示しながら、「この作業だけでは直らない」と不要な作業などを追加し、最終的に高額な料金を請求する手口だ。対処するには、応急処置が終わった後、不安をあおられても、焦らず複数社から見積もりを取ることが大事という。普段から住宅メーカーや施工業者に対応を相談しておくことも有効だそうだ。

■ネット通販でも被害多発

 他に多いのがネット通販でのトラブル。「初回無料」と書かれた商品を注文したら、気付かないうちに定期購入契約が完了しているケースがたびたび起きているという。ネットのサイトでは、何度もスクロールしないと見つけられない場所に契約条件が記されていたり、文字が小さかったりすることがある。解約料を求められる場合もあり、契約内容が確認できるよう、スクリーンショット(画面保存)などで記録を残しておくといいという。

 今年6月には特定商取引法が改正され、通販サイトの最終確認画面に商品の提供回数や返品、解約方法、条件を表示することが義務づけられた。購入から一定期間内であれば消費者が契約を解除できる「クーリングオフ制度」もあるが、悪質な業者は法律の網をすり抜けて消費者に巧みに近づいてくるため、購入する際に一度立ち止まって契約内容を見返すことが必要とする。

■信仰心利用するケースも

 かつて上田さんが携わった宗教法人による霊感商法の事件では、被害者家族から数百万円のつぼを買ってしまったと相談を受けた。特設会場に誘われ、無料の診断を受けると「水子の霊がついている」「先祖のたたりがある」などと告げられ、言われるがまま購入したという。相手の悲しみや不安につけ込み、信仰心を利用するケースが多いといい、「もうこれ以上お金を出せないというほどまでは払わせず、被害申告をさせない工夫もしている」と早めに被害に気付くよう呼びかける。

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 「経験上、人がいい人、すぐ信用する人、押しに弱い人が被害に遭いやすい」と上田さん。「購入する時は注意して確認を。迷ったら自分で判断せず警察や消費生活センターに相談してほしい」と話している。

 出張講話は無料。北摂コミュニティ開発センターTEL079・563・1951

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