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これまでの実習を振り返り、お気に入りの1足を見せ合う学生=三田市福島
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これまでの実習を振り返り、お気に入りの1足を見せ合う学生=三田市福島
カメラに向かって自作の靴へのこだわりを話す=三田市福島
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カメラに向かって自作の靴へのこだわりを話す=三田市福島

 神戸医療福祉専門学校三田校(兵庫県三田市福島)の整形靴科2年生による卒業製作展示会が17日から3月31日まで、動画投稿サイト「ユーチューブ」で期間限定配信される。整形靴は足に疾患や変形のある人に向けて作られるもので、それぞれの疾患に合わせた特徴や製作の過程を紹介。学生一人一人のこだわりが詰め込まれている。

 同校は日本で唯一整形靴の製法が学べる専門学校として、全国から学生が集まる。同科では体の構造やリハビリテーション医学などを学ぶほか、足に疾患のあるモデルを招いて靴を作るなどの実習を重ねている。

 従来、展示会は対面で開いていたが、感染症対策のため3年連続、動画での紹介となった。2年生14人がそれぞれ手がけた靴を持ち、構造やデザインの工夫を話す。外反母趾(ぼし)の人には屈曲が目立ちにくい柔らかい生地を使った。脳梗塞などで片足まひになった人に向けたサンダルは、動く方の手で履けるよう、左右でボタンの位置を変えた。足首まである赤い革のストラップはおしゃれなだけでなく、脚の傾きを修正する役割もある。

 今回の展示のタイトルは「あなたの立場で」を意味する「In Your Shoes(イン ユア シューズ)」。相手の気持ちに寄り添い靴を作る技術者になるという思いを込めた。

 学生が同科に入学したきっかけはさまざま。自身が靴選びに困った経験から整形靴の必要性を知って入学した人や靴業界での勤務経験を持つ人もいる。

 堀野達生さん(27)は3年半ほど靴のメーカーに勤め、素材の研究などに携わっていた。当時、外反母趾の人向けの靴を作るプロジェクトに参加した。普段は消費者の思っていることを予想して開発してきたが、反応までは見られなかった。実際に当事者と話し、相談しながら作ることにやりがいを感じ、退職して学び直すことを決めたという。春からは義肢装具会社に就職予定で「機能とデザインを両立させ、心も支えられる靴を作りたい」と意気込む。

 他の学生も健康靴販売店への就職や整形靴マイスター(職人)を目指すドイツ留学が決まっており、今後も学びを生かし、さらに深めていく。

 卒展代表の辻洸祐さん(26)は「靴選びに悩んでいる人で整形靴という選択肢を知らない人もいる。多くの人に届いてほしい」と話す。

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