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約30年ぶりに見つかったコウベタヌキノショクダイ=2021年5月、三田市(末次健司教授提供)
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約30年ぶりに見つかったコウベタヌキノショクダイ=2021年5月、三田市(末次健司教授提供)
展示されているコウベタヌキノショクダイの標本(人と自然の博物館提供)
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展示されているコウベタヌキノショクダイの標本(人と自然の博物館提供)
小さいながらも独特の形態が目を引く=三田市弥生が丘6
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小さいながらも独特の形態が目を引く=三田市弥生が丘6

 約30年ぶりに兵庫県三田市内で発見された植物「コウベタヌキノショクダイ」の展示が、11日から県立人と自然の博物館(弥生が丘6)で始まった。ガラス細工のような神秘的な花を咲かせることから「妖精のランプ」とも呼ばれるが、既に絶滅したと考えられていた。研究員は「見つかったこと自体が衝撃。不思議な形態を観察できる貴重な機会」としている。4月9日まで。

 1992年、神戸市西区の森で「謎の花」が見つかった。1個体だけだったため詳細な分析に踏み切れず、99年には自生地一帯が開発されて消滅。新たな個体も見つからず、2010年に絶滅したと判断された。その後、神戸大の末次健司教授(植物生態学)による本格的な調査で新種と判明し、18年に「コウベタヌキノショクダイ」と命名した。

 幻の植物が再び姿を現したのは、21年のことだった。末次教授の研究室メンバーが三田市内の山中で複数の個体を見つけ、データ分析やDNA解析などを経て、今年2月に希少な植物の再発見が発表された。

 全長1センチあまりのほとんどが花と根で、光合成をせずに地中の菌類から栄養分を吸い上げる。今回展示されるのは、研究室からひとはくに寄贈された2個体の標本。アルコールに漬けた花はクリオネのような形が特徴的で、つぼみの押し花も並べる。

 同館の担当者で植物分類学が専門の李忠建さん(29)は「見つけようとして見つけられるものではない。展示を通じて自然に興味を持つきっかけになればうれしい」と話している。月曜休館。TEL079・559・2001

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