2日の衆院選公示を前に、兵庫7区(西宮、芦屋市)の立候補予定者による公開討論会が29日、青年会議所の主催により、西宮市で開かれた。経済や社会保障などのテーマに対する政策の違いに、参加者はじっと耳を傾けた。
西宮市の勤労会館(松原町)では、自民前職の山田賢司氏(48)▽民主元職の石井登志郎氏(43)▽維新前職の畠中光成氏(42)▽共産新人の浜本鶴男氏(70)▽無所属新人の大前春代氏(30)-の5氏が登壇した。
アベノミクスについて山田氏は「株価は倍増し、雇用も増えた。瀕(ひん)死の重体から救命手術に成功した」と成果を強調。「景気回復が実感できるよう、地方創生や中小企業対策を推進する」と述べた。
これに対し、石井氏は「株価至上主義でメリットは一部に偏在している。円安に伴う物価高で消費不況を招いた」と批判。「公共事業ではなく、自然エネルギーや人への投資を重視すべき」とした。
畠中氏が力を込めたのが道州制の導入。「中央集権は今の時代にそぐわなくなっている。東京一極集中ではなく、地域や民間の力を信じるべきだ」とした。また、一院制への移行などにも言及した。
浜本氏は「憲法前文と9条に示される恒久平和の理念は、世界からも高い信頼を得てきた」と指摘。「改憲には反対で、憲法から外れた政治や社会のゆがみこそ変える必要がある」と護憲を訴えた。
大前氏は「もっと女性の国会議員が必要」と持論を展開。「若い人たちは結婚に対し、リスクを感じている。まずは第1子を産みやすくする社会のサポートが必要」と子育て支援の充実を求めた。(前川茂之)