14日に投開票された衆院選は、自公が議員定数の3分の2超を獲得する圧勝で、安倍政権の継続が決まった。一夜明けた15日、淡路島内の有権者に、選挙結果の受け止めや今後の政治に対する注文を聞いた。(切貫滋巨、佐藤健介、長尾亮太)
洲本市内でレストランを経営する男性(30)は結果について「中小零細にまで景気回復の波が来るには、何年かかかるだろう。辛抱のしどころで、もう少しアベノミクスの様子を見ようという有権者の意思の表れ」とみて、今後の経済政策を注視している。
ただ、景気一辺倒に陥ることも懸念し、「地域の再生には教育や医療などにも目を配る必要がある。助成金を垂れ流す一時しのぎの政策は控えるべきだ」と主張した。
島内で勤務する洲本市の女性会社員(37)は「政権奪回から2年で、まだ望みを託したいと思う人が多かったのではないか」とする一方、「野党のアベノミクス批判は説得力がなく、具体的な対案も示されなかった」と野党のふがいなさへの失望感もみせた。「給料が上がるなど、普通に生活する会社員にも恩恵が広がるよう、しっかりと取り組んでほしい」と注文をつけた。
洲本市の農家の男性(63)は、国内農家への打撃が懸念される環太平洋連携協定(TPP)交渉を心配しつつ「(兵庫9区の小選挙区では)立候補者が2人しかおらず、迷ったところで選択肢がなかった」と苦笑。「補助金のばらまきより、農家が将来を不安に思わなくていいような農業政策に期待したい」と強調した。
「子育てで忙しく、選挙の結果も気にしていられない。政治と生活の間に距離を感じる」と話すのは、1歳から小学5年生までの4人の子どもを育てる南あわじ市の主婦(35)。政府に求めるのは、子育て世代への支援だ。「夫の収入が伸びない中で消費税は高くなる一方なので、家計が圧迫されている。保育料など生活の負担をもっと軽くしてほしい」と話した。