テーマとなる病気ごとのレシピや予防法を紹介する「医師おすすめ! お手軽健康レシピ」。今月から「認知症」の4回シリーズが始まります。初回のメニューは「サケのホイル焼きカレー風味」。認知症の症状や発症段階、食事による予防対策も説明します。(記事・篠原拓真、写真・斎藤雅志)
材料(2人分)
生サケ 2切れ
酒 小さじ1
濃い口しょうゆ 小さじ1
塩 1グラム
ニンジン 1/5本
タマネギ 1/10個
ピーマン 1/2個
エリンギ 小1本
カレー粉 小さじ1/2弱
有塩バター 6グラム
レモン 1/3個
<つくりかた>
1 サケはバットに入れ、酒と濃い口しょうゆに5分程度漬けておく=写真【1】。
2 ニンジンやタマネギ、ピーマン、エリンギを細切りにし、カレー粉をふる=写真【2】。
3 レモンをくし形に切る。
4 ホイルに皮を上にしたサケを置き、細切りにした野菜とバターをのせる=写真【3】。
5 サケの漬け汁をかけてから塩をふり、ホイルで包む。
6 170℃のオーブンで15分焼く。
7 焼き上がったホイル焼きを盛り付け、レモンを添える。
■早期の治療で進行遅らせる効果/宇佐美眞・甲南女子大学教授
認知症を防いだり、進行を遅らせたりする食事が気になると思いますが、まずは認知症について説明しましょう。
一般的に患者数が多いアルツハイマー型認知症には三つの段階があります。脳の萎縮に関わるとされる「アミロイドベータタンパク質」が蓄積するが、症状や認知機能の低下がない「前臨床期」。日常生活に支障はないが、もの忘れがある「軽度認知障害(MCI)」。そして認知症です。
高齢者の4人に1人が、認知症かMCIとされます。MCIから認知症に移行するのは年間10~15%ほど。健康な段階での予防が理想ですが、MCIの時点で早期発見し治療や対策を始めることで、進行を遅らせる効果が期待できます。
認知症は、主に記憶障害から始まるアルツハイマー型が全体の3分の2を占めます。計画が立てられない、薬の管理ができないなどの症状があります。
2番目に多いのが脳梗塞や脳出血、脳動脈硬化などによる血管性認知症です。全体の20%ぐらいと言われます。脳の神経細胞の一部が死ぬため、記憶障害や言語障害が出ます。早期から歩行障害も出やすいとされます。
脳出血や脳梗塞などの脳血管障害は、生活習慣病が主な要因です。アルツハイマー型も生活習慣や加齢が要因として挙げられます。これらから分かるように、生活習慣の一つ「食事」は、認知症予防にとって重要です。次回以降は、栄養面から認知症予防について説明します。
◇協力 甲南女子大学、管理栄養士 東根裕子さん、戸田明代さん、藤井映子さん、吉原勢津子さん









