上方落語の定席「神戸新開地・喜楽館」(神戸市兵庫区)は7月11日、開館満3年を迎える。関西では大阪の天満天神繁昌亭に続く定席。原則毎日開催の昼席は約900公演、延べ7万人以上が訪れた。5~11日には3周年特別公演を予定(11日は完売)。同日は名誉館長の桂文枝が口上とトリで締めくくる。
文枝が上方落語協会の会長時代に構想した。中堅や若手の研さんの場にもなっているほか、鉄道やプロ野球などをテーマにした週間企画を毎月行い、新たな客層を掘り起こしてきた。
だがコロナ禍のため昨年3月から約4カ月間は昼席を中止。今年も4月25日~6月6日まで休演を余儀なくされた。1年目は定員(212席)の約6割の観客だったが、昨年7月の再開からは客席を半数以下に抑えている。
1周年公演では鏡開きなどにぎやかに執り行ったが、2周年は催しを見送り。3周年は口上は復活するが、鏡開きはしない。
特別公演のトリは文枝のほか、上方落語界の最古参・桂福団治(8、9日)をはじめ、桂春団治(5日)▽桂小文枝(6日)▽笑福亭福笑(7日)▽月亭八方(10日)-という豪華なメンバー。中トリも、NHK連続テレビ小説「おちょやん」(5月15日終了)で解説を担った桂吉弥(神戸大出身、5日)や、桂小枝(西宮市出身、8日)など実力派をそろえる。
上方落語協会副会長で10、11日の中トリを務める桂米団治は「3年前の記念パレードの際は期待と不安が交錯していた」と振り返った上で、「今では劇場の壁に芸人の汗や空気が染みついて居心地良くなった」と喜ぶ。
喜楽館の番組編成委員長で8日に出演する桂文之助(神戸市長田区出身)は「大阪の新世界のようなディープな魅力が新開地にはあるので、喜楽館が地元をブレークさせる一助になりたい」と意欲を燃やす。
特別公演は午後2時開演。前売り3千円(当日3500円)。3周年を記念し、通常の昼席入場予約券「笑門来福ギフト」(1~9枚は1枚2300円、10~100枚は同2千円)の販売も始める。喜楽館TEL078・335・7088(金井恒幸)
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