阿部一二三(23)、詩(21)そろっての金メダル獲得に、恩師や地元後援会の人らも快挙を喜んだ。
阿部兄妹がなじみにしている神戸市灘区の鉄板焼き店「大榮」では、一二三の神港学園高時代の恩師、信川厚・同校柔道部総監督(56)らが勝負を見守った。
「よいしょ」「下がるな」とテレビに向かって高校時代と同じように声を掛け続け、金メダルが決まった瞬間、手で目頭を押さえた信川さん。「プレッシャーと闘い、夢を現実にし、たいしたもの。これだけ感動した試合は初めて。言葉にならない。指導者の一人として関われたことを感謝したい」といい、兄妹に「一人一人が積み上げてきたものを出した。2人ともごくろうさんやし、ありがとう」と目を潤ませた。
2人の地元、同市兵庫区のお好み焼き店「よりみち」では、後援会をつくる常連客らがエールを送り、歴史的な熱戦に沸いた。
2人を幼い頃から知る店主の森好理江さん(72)は「孫のような存在。生きていて、こんな最高なことはない」と感無量な様子。「神戸だけでなく、日本、世界の誇り」とたたえた。後援会発起人の一人、辻徳広さん(68)=同市長田区=も「みんなに感動をもたらした。世界のヒーロー、ヒロインになった」と興奮が収まらなかった。(大盛周平、井川朋宏)









