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キャストの(右から)奥田一平、石橋徹郎、山本郁子、上川路啓志=宮川舞子氏撮影
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キャストの(右から)奥田一平、石橋徹郎、山本郁子、上川路啓志=宮川舞子氏撮影

 つかこうへいの出世作で小劇場ブームの呼び水となった「熱海殺人事件」が、文学座(東京)への書き下ろしだったことは意外と知られていない。つかが岸田国士戯曲賞を当時最年少の25歳で受賞した記念すべき初演版が9月、半世紀ぶりに文学座により復活し、兵庫県立ピッコロシアター(尼崎市)にやって来る。

 同作は、思い込みの激しい「くわえ煙草伝兵衛」こと木村部長刑事が、単純な痴情殺人を“正しい”事件にすべく、容疑者や部下を巻き込んで真相を明らかにする物語。劇団つかこうへい事務所が1976年に紀伊国屋ホールへ進出を果たした作品で、若き三浦洋一や平田満、風間杜夫らによるエネルギッシュな舞台は爆発的な人気を集めた。上演は7年間で165回に上り、各地の若手劇団がこぞって取り上げた。

 だが、元々は文学座が、新人の戯曲を取り上げるアトリエ公演として、73年に初演。アトリエの70周年を記念して昨年、上演が企画されたが、コロナ禍で延期となっていた。演出は稲葉賀恵、キャストは石橋徹郎ほか。演奏をドラマー芳垣安洋(西宮出身)とギタリスト助川太郎が手掛ける。

 アトリエ公演が巡演するのは珍しいといい、今回もピッコロシアターのみ。

 同シアターの田房加代・文化事業専門員は「丁々発止の面白さだけでなく、台本に潜む小市民への思いなども浮き彫りになるのでは。関西の人にぜひ見てほしい」と話す。

 9月18、19日午後1時半開演。一般4500円、高校生以下2千円。同シアターTEL06・6426・1940

(田中真治)

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