将棋の若手棋士の登竜門「第11期加古川青流戦」(兵庫県加古川市など主催、神戸新聞社共催)の決勝3番勝負が25、26日に加古川市の鶴林寺で指される。トーナメントを勝ち抜いた服部慎一郎四段(22)と井田明宏四段(24)は、共に関西将棋会館を拠点に「練習将棋を千局くらい指した」というライバル同士。好対局が期待できそうだ。(井原尚基)
同棋戦は加古川市が2011年に創設した。昨年の第10期は新型コロナ禍で中止になり、今期は4月現在の四段15人▽奨励会三段21人▽女流棋士2人▽アマチュア2人-の計40人が出場した。
服部四段は富山市出身、中田章道七段門下で2020年にプロ入りした。加古川青流戦出場は3度目。前回開催された19年は奨励会員として出場し、決勝3番勝負に進出したが、池永天志五段(28)に敗れ、準優勝に終わった。
今期の準決勝では高田明浩四段(19)と対局し、相雁木模様の一戦を制した。19年の敗北直後に「プロとして再びこの舞台に戻ってくる」とスピーチした誓いを胸に焼き付けながらトーナメントを勝ち上がってきたといい、「ひとまず実現することができた」と喜ぶ。
一方の井田四段は京都市出身、小林健二・九段門下で今年4月にプロ入りした。加古川青流戦に出場するのは3度目で、18年は初戦、19年は2戦目に、いずれも出口若武五段(26)=明石市出身=に敗れている。「上位に食い込むのが難しい印象があり、そのように感じていること自体が情けなかった」と振り返る。
「四段になったからには上位に」と臨んだ今期。冨田誠也四段(25)=三田市出身=との準決勝は、先手の冨田四段がゴキゲン中飛車、井田四段が居飛車の対抗形に。井田四段は先手の堅陣を果敢に攻め、勝利を収めた。「棋士になった以上、何か結果を出したい。そのチャンスをつかんだ」と喜ぶ。
共に居飛車党で、5年以上前から腕を磨き合ってきた服部四段と井田四段は、盤外でもジョギング仲間として10キロ走の大会に出場してきた間柄だ。服部四段は「互いに手の内も弱点も分かっている関係」と語り、井田四段は「人工知能(AI)の活用よりも実戦に重きを置いて強くなってきた過程が似ている」と明かす。
本年度のランキングで、服部四段は対局数3位(25局)、勝数2位(20勝)、勝率5位(8割=20勝5敗)。井田四段も勝率6位タイ(7割6分9厘=10勝3敗)と活躍している(いずれも16日対局分まで、未放映のテレビ対局除く)。加古川でも激しい火花が飛び交うのは必至だ。
服部四段は「2年前は奨励会員で、今はプロ。前回の自分を超え、今回は優勝したい」と新たな誓いを立て、井田四段も「大舞台で、ファンにいい将棋を見せたい」と奮起する。
決勝3番勝負は第1局が25日午後2時、第2局が26日午前10時。1勝1敗になると同日午後2時から第3局が指される。
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