どんざ-。そんな名前の服が戦後の日本にあった。聞き慣れないが、どこか懐かしい響きだ。着ていたのは兵庫・淡路島の漁師たち。独特の刺しゅうが施され、作業着としてだけでなく、神戸での商いや神事でまとう晴れ着として使われていた。近年、日本の漁業文化を発信する伝統着として見直され、再評価する動きが広がっている。(佐藤健介)
どんざとは「どてら」のことで、木綿布3枚を重ねて刺し縫いし、防寒と防潮の機能を持たせた藍染めの作業着。江戸時代後期に普及し、淡路島では昭和の終戦後まで着られたという。
瀬戸内では「どんざ」と呼ばれ、淡路島では都市での魚の行商や、特別の祝い事など、おしゃれのために身に着けたとされる。
島の民家に残っていたどんざが、日本の民芸品を扱う米国人収集家の目にとまり、2000年にアメリカで展示された。16年には淡路島が「国生みの島」として文化庁の日本遺産に選ばれ、淡路島で開かれた企画展でどんざが展示されるなど、再評価の機運が高まった。
縫い手は漁師町の女性たち。命がけで海へ出る夫や息子、孫の晴れ着として、ひと針ひと針、心を込めた。
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そんな先人の精神に感銘を受け、現代風にアレンジしているのが、染織家の山下絵里さん(46)=洲本市=と、ファッションデザイナーのあまづつみまなみさん(51)=南あわじ市=だ。
10年ほど前、山下さんは偶然、工房を訪れた人からどんざの存在を知り、あまづつみさんと一緒に、実物を展示する北淡歴史民俗資料館を見学。2人は鮮やかな色彩に魅了され、創作意欲がかき立てられたという。
淡路島の自然を表現したオリジナルブランド「島のふく」を手掛けるあまづつみさんが、名産のタマネギなど郷土の自然で染め織りをする山下さんに共同作業を呼びかけた。
2人は染料の藍をお互いの畑で栽培。山下さんが藍染めした糸で織った布を一部に使い、あまづつみさんが衣服に仕上げる。藍がしっかりと生地になじむため、色落ちしにくく、長持ちするのが特長という。
「淡路島の伝統産業といえば陶器の珉平焼や瓦が有名だが、織物の世界にも伝統が息づいている。糸や布の作り手として誇らしい」と山下さん。あまづつみさんは「家族への愛を込め、丁寧に手作りした服を大切に着る。大量生産大量消費の時代だからこそ、そんな心を広めたい」と、自身が南あわじ市内で営むアトリエショップでどんざの衣服を取り扱う。
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どんざの丁寧なデザインはインテリアや小物にも応用されている。
南あわじ市の老舗タイルメーカー「ダントータイル」は山下さんの監修で、どんざの模様をモチーフにしたタイル(45ミリ四方、厚さ8ミリ)を開発し、ネットショップや島内の雑貨店などで販売する。
柄は主に4種類。「杉刺」には家族への慈愛、「花菱」には富や成功、「柿の花」には五穀豊穣(ほうじょう)、「花文」には子孫繁栄や人間関係の円満-といった願いが込められている。
台所や洗面所のリフォームに使ったり、庭や額に飾り付けたりと、インテリアの素材にもなる。好みの柄を合わせればコースターや鍋敷きとして使える。
同社淡路島工場の中徳応(とくおう)さん(43)は「どんざの縫い手がひと針に思いを込めたように、われわれも手作りのぬくもりにこだわって製品化した。郷土に愛着を持ってもらうきっかけになれば」と話す。
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