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かつて存在した櫓や大手門などの復元が構想されている明石公園=2019年4月撮影
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かつて存在した櫓や大手門などの復元が構想されている明石公園=2019年4月撮影

 スケートボードと自転車BMXが一カ所で競技できる施設や拡張現実(AR)で浮かび上がる恐竜、歴史を感じる建築物…。そんな新たな魅力づくりが兵庫県立都市公園で始まろうとしている。県が進めるのは公園のリノベーション(大規模改修)。老朽化が著しい公園を中心に、時代の変化とニーズに合わせて生まれ変わらせようと多彩な計画や構想が練られている。

 今夏の東京五輪で採用されたスケートボード競技で、堀米雄斗選手(22)や西矢椛選手(14)ら日本勢が3種目で金メダルを獲得したことは記憶に新しい。自転車を使った華麗な技が魅力のBMXも注目を集めた。播磨中央公園(加東市)では2025年にも、若い世代に人気の「都市型スポーツ」を楽しめる施設の開設が計画されている。

 県が「ローラースポーツパーク(仮称)」と銘打って整備するのは、スケートボードで走行できる凹凸のコース「パンプトラック」。BMX向けには五輪競技のレース▽フリースタイル▽技の難易度などを競う「フラットランド」-の3種目に適したコースやジャンプ台などがそろう。県公園緑地課は「3種目の設備がある施設は国内で珍しいのではないか」とする。

 同公園は年間約40万人が利用し、このうち自転車向け施設「ふじいでんこうさいくるらんど」目当ての来園者は約9万人と堅調だ。一方で、音響設備を備えた野外ステージの利用は約1万人にとどまり、利用低迷のほか、施設の老朽化も顕著という。

 「利用があまり望めないステージを撤去し、サイクルスポーツの拠点としての強みを生かす」と県の担当者。マウンテンバイク向けのクロスカントリーコースや全長7・2キロのサイクリングコースも整備予定で、北播磨地域に人を呼び込む起爆剤にしたい考えだ。

     ◇

 県は今年6月、県立都市公園全15カ所を対象としたリノベーション計画を公表。老朽化する遊具やトイレの改修を進めるほか、多様化する利用者のニーズを踏まえ、ありきたりな公園からの脱却を図るため、20年度に有識者らを交えて計画策定に向けた議論を重ねた。播磨中央公園での取り組みはその一例で、特性を生かした拠点づくりが各地の公園で検討されている。

 丹波並木道中央公園(丹波篠山市)では日本最大級の恐竜「丹波竜」にあやかり恐竜の遊具を導入する。現在公募中で、10月中に具体案を公表する予定。県はまた、スマートフォンの画面を通じて実物大の恐竜を体験できるAR導入の構想も描いている。

 三田市の有馬富士公園では世界的な造形作家新宮晋さん(同市在住)監修の芸術文化施設「地球アトリエ」を24年にも開設する。

 歴史を生かした公園づくりの構想も進む。明石城跡がある明石公園(明石市)では、かつて存在した櫓や大手門などの復元を目指す。当時の様子が分かる史料が復元に不可欠だが見つかっておらず、事業の具体化はまだ先の話とするが、歴史ファンらが集える場所づくりを進める。

 県の担当者は「公園の維持管理は税金で賄われている。利用し続けてもらえるよう、時代のニーズに合った機能を取り入れなければならない」と話している。

(金 旻革)

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