【質問】自民党兵庫県連は7月の知事選を巡り、分裂しました。党本部が推薦し、県選出の国会議員らも支援した斎藤元彦氏が当選しましたが、多くの県議は対立候補を応援しました。衆院選を控え、しこりは残っていないのですか。選挙に影響はありませんか。
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知事選では、元副知事を支援する県議会自民会派の方針に反発し、一部の県議が大阪府財政課長だった斎藤元彦氏を担ぎました。自民県連の選挙対策委員会は推薦候補に元副知事を選びましたが、国会議員らの主導で方針は覆り、党本部は斎藤氏を推薦しました。
自民会派に残った32人は反発し、元副知事の支援を続けました。一方で、斎藤氏を担いだ県議や国会議員は「反党行為」と糾弾し、亀裂は深まりました。
ですが、知事選後の8月、元副知事を支援した県議らに県連が出した処分は、1人を1年間の役職停止、16人を厳重注意というものでした。「甘すぎる」という声もありましたが、衆院選を見据え、県連内にしこりを残さないようにしたという見方が大半です。
衆院選では、県議らが選挙対策本部の中心を担ったり、自身の後援会を動かしたりして選挙戦を支えます。処分された県議は「しこりが残っている人は少ない。自民が負けていいとはならない」と話し、候補者を支える意向です。
ただ、知事選で相乗りとなった自民と日本維新の会が対立し、分裂した自民が一緒に戦う状況は分かりにくく、この県議は「有権者の理解を得られるかどうか心配だ」と気をもみます。
一方で、「しこりは残っている」と打ち明け、その他の事情も含めて「4年前のような協力はしない」と言い切る県議もいます。
自民は前回、候補者を擁立した県内10選挙区で全勝し、今回も現職全員が立候補する予定です。選挙区によっては、分裂の影響が出るかもしれません。(県政キャップ・紺野大樹)
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