広辞苑(こうじえん)で「幻」を引くと、「はかないもの、きわめて手に入れにくいもののたとえ」とある。つまり、めったやたらに出会える幻があったとしたら、それはもはや、幻とは呼べないのかもしれない。シロマダラというヘビのことだ。(小川 晶)
シロマダラは、体長30~70センチ程度の日本固有種で、毒はない。「幻のヘビ」と呼ばれ、新聞記事などで紹介される際も、この修飾語が付くことが多い。
だが、目撃情報は全国各地で相次いでいる。発見が報道されたケースに限っても、今年4月以降で約30件あった。
1週間に1回は、日本のどこかで「幻」が見つかっていることになり、同じく「幻のヘビ」と言われるツチノコに比べると、現実味が極めて強い。
目撃地点も、山形、埼玉、岐阜、広島、鹿児島など、東北から九州まで幅広い。兵庫県内でもこの間、神戸、姫路、丹波篠山、三田市で4例の報道がある。
そんなシロマダラが「幻」と呼ばれる理由について、爬虫(はちゅう)類などの生態に詳しい兵庫県立大の太田英利教授(多様性生物学)は、アオダイショウやヤマカガシなどと比べて体が小さく、夜行性で目立たないためと推測する。
レッドリストで準絶滅危惧種などに指定する都道府県はあるが、「幻のヘビ」と呼ぶほどではないという。「少なくとも、私はそう呼んだことは一度もない」と太田教授。研究者の立場で、そう表現して違和感がないのは、タカチホヘビぐらいだそうだ。
太田教授によると、タカチホヘビは、シロマダラと同様に夜行性で目立たないという特徴を持つ。さらに、生息域が狭いため、兵庫県内でも1990年代まで存在が確認されていなかったという。
ではなぜ、シロマダラが「幻」になったのか。確かな経緯は判然としないが、発見の報道をたどると、2000年代に入って使用例が急増している。
神戸大の澤田治准教授(言語学)は、幻のそもそもの意味を「現実には存在しないのに、あたかもあるように思えるもの」と説明する。この概念にぴったり当てはまるのが、ツチノコだという。
ところが、幻の意味の範囲が時代とともに拡大。歴史上の発見など「存在しないと思っていたら見つかったもの」にも使われるようになり、さらに緩んで「貴重な」という程度のニュアンスになっているのでは-とみる。
太田教授も、シロマダラを「希少ではないが、貴重ではある」と認めている。
説明によれば、シロマダラは、トカゲの仲間を主食とする独特の食性があるという。つまり、トカゲが餌とするさまざまな昆虫が、1年を通して豊富にいる場所にしか生息できず、「生物の多様性を測る指標であり、自然の豊かさの象徴でもある」と話す。
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