新型コロナウイルスによる7月以降の兵庫県公表の死者数は16日現在、83人で今春の第4波の死者755人と比べると、1割強にとどまっている。感染者数は第4波の1・6倍の約3万8千人に上るが、ワクチンの優先接種により、死亡リスクの高い高齢者の感染者が少なかった影響があるとみられる。
県は毎月末、発表日とは別に、死亡日に基づく月別死者数を公表。昨年11月~今年2月の第3波は492人で、3~6月の第4波は755人だった。5月は月間最多の408人に上る。
第5波となる7月=4人▽8月=25人▽9月=46人▽10月以降=8人-で計83人。第3波の2割弱、第4波の1割強に抑えられている。
県によると、6月までの死者1313人のうち、80歳以上は66%、60歳以上だと96%を占めた。7~9月の死者75人は80歳以上が35%まで下がり、60代、70代を含めても81%に。これまでと比べ、年代の割合でも高齢者が明らかに減った。
第5波の流行初期、リスクの高い高齢者にワクチン接種が普及。県内の65歳以上でも、2回のワクチン接種を済ませた人は7月中に8割に達していた。
これにより、第5波の感染者のうち60歳以上は1割未満で、約3千人にとどまった。第3波の5千人超、第4波の約6500人から大幅に減少。県はワクチンが発症と重症化の予防に一定の効果があるとして、広い世代の接種を呼び掛けている。(井川朋宏)
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