おせち料理に欠かせないレンコンの出荷が、兵庫県姫路市南西部の産地で最盛期を迎えている。切った断面の穴から「将来が見通せる」とされる縁起物の食材。栽培農家は身を切るような寒さの中、泥田に腰まで漬かって収穫に追われている。
大正初期に栽培が始まり、レンコン産地として知られる同市大津区勘兵衛町。現在は約20軒の生産農家が周辺の住宅街に点在する泥田計約17ヘクタールで育てる。収穫は8月から翌年春先まで続くが、根が太り味も良くなるという冬がピーク。それぞれ水圧を利用した「ポンプ掘り」で根を探して掘り出し、真空パックに詰めて出荷する。
栽培農家の男性(56)は「冷夏の影響か、収量は例年より少なめ」としつつ「お正月にゆっくり味わってもらいたい」と話していた。(大山伸一郎)