官公庁や多くの企業が4日、仕事始めを迎えた。新型コロナウイルスの新規感染者が3千人を超えていた昨年の年始と異なり、職場や繁華街は以前の状態を取り戻しつつある。だが、それでも感染収束は依然見通せない。兵庫県内のトップらは、オミクロン株の市中感染拡大を警戒しながらも、「ポストコロナ」を見据えて、打撃を受けた地域社会・経済の立て直しと、市街地再整備など新たな挑戦へ決意を新たにした。
「躍動する兵庫をつくる第一歩の年にしたい」。昨夏に就任した兵庫県の斎藤元彦知事は同日午前、神戸市中央区の県公館で、幹部職員約70人を前に初めての年頭あいさつに臨んだ。
昨年末には県内でオミクロン株の市中感染が初確認され、「第6波」に向けた感染対策の徹底を強調。一方で、新年度予算編成は佳境を迎えており「ベイエリアの活性化や困窮者の支援策などが大事。前例にとらわれない創意工夫と失敗を恐れないチャレンジ、県民目線を忘れない県政運営に取り組み、新しい県政を進めたい」と力を込めた。
また、昨年10月の神戸市長選で大勝し3期目に入った久元喜造市長は、組織内ネットワークシステムを使って、全職員に年頭訓示のメッセージを送った。「今年もコロナ対応を最優先で取り組む」とし、医療提供体制の確保や3回目のワクチン接種、市民や事業者の支援に、全庁一丸で取り組むよう呼び掛けた。
神戸では都心・ウオーターフロントの再整備で、1万人収容の多目的アリーナの設計手続きが始まり、水上レストランやマリーナの開設に向けた検討も本格化する。久元市長は職員に「変わりゆく神戸のまちの様子を市民や事業者と話題にし、日々の職務に当たってほしい」と求めた。
一方、企業も業務をスタートさせた。昨年4月、りそなホールディングスグループの一員として再出発したみなと銀行(神戸市中央区)は、武市寿一社長が午前8時40分ごろ、年頭あいさつの動画を一斉放送した。武市社長は「兵庫の真の県民銀行という目標に向けて土台をつくり、強みに磨きをかけたい」と強調し、本店営業部では社員約30人が表情を引き締めた。
(三島大一郎、金旻革、赤松沙和)
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