1945年1月6日、フィリピン・ルソン島沖で、日本の民間タンカー6隻の船団が米軍機の攻撃を受け全滅した。前日に船上で16歳の誕生日を迎えたばかりの少年船員も、犠牲になった。太平洋戦争開戦直後から輸送船として徴用され、撃沈された7千隻を超える民間船やその乗組員たちの多くは、今も海に沈んだままだ。遺族らは「せめて存在を知っていてほしい」と願う。
兵庫県佐用町の井岡博さん。妹の山下勝子さん(81)=姫路市=は「色白で、優しいお兄ちゃんだった」と遠い記憶をたどる。
周囲に徴兵の赤紙が届く中、父は体が弱く、戦地に赴けなかった。せめて自分が-と思ったのかもしれない。兄は海員学校を志願し、小型タンカー「第3弥栄丸」(834トン)の機関員として台湾・高雄からシンガポールへ石油を積みに行く途上、命を落とした。
戦死の知らせと骨つぼが届いたが、中は空っぽ。戦後も父母は兄のことをほとんど話さなかったが、墓参りの時に孫たちに聞かれると「行かんでも良かったのに、行ったんや」とぽつりぽつりと、つぶやいた。
「民間船や船員は、いわば“消耗品”だった」。「戦没した船と海員の資料館」(神戸市中央区)の岡村世紀一さん(80)は悔しさをにじませる。開戦と同時に軍は商船や捕鯨船などを輸送船として徴用したが、それを予測していた連合軍は船団を発見し次第、攻撃するよう指示。護衛もなく、貧弱な武器しかない民間船は格好の標的になった。
43(昭和18)年ごろには船や船員の不足が深刻化。耐用年数3年程度の戦時標準船が大量に造られ、国民学校高等科を卒業した14歳以上の少年たちが、わずか2~3カ月の養成で船に乗り組んだ。終戦までに約6万人の船員が死亡し、死亡率は軍人の倍以上の43%に上った。14歳は987人、20歳未満は31・43%。井岡さんもその一人だった。
最後の誕生日、兄はどう過ごしただろう。それを伝えるものも全て海の底だ。6日には神奈川県横須賀市の戦没船員の慰霊碑を親族が訪れ、手を合わせた。「もし兄が生きていたら、戦後も今もどれだけ心強かったか」と山下さん。「子どもたちがこんな形で未来を断たれることが二度とないように」と力を込めた。
(広畑千春)
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