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校舎に置かれた消毒液。感染急拡大を受け、学校では感染防止策の徹底を図っている=31日午前、神戸市中央区北長狭通4、神戸生田中学校(撮影・中西幸大)
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校舎に置かれた消毒液。感染急拡大を受け、学校では感染防止策の徹底を図っている=31日午前、神戸市中央区北長狭通4、神戸生田中学校(撮影・中西幸大)
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 新型コロナウイルスの急拡大で検査業務が逼迫し、神戸市は学校園で感染者が出た場合、従来のクラス全員へのPCR検査を当面中止とし、学級閉鎖の期間を原則5日間にする-と対応を変更した。この方針転換に、神戸新聞の双方向型報道「スクープラボ」に、保護者らから「5日で感染拡大を防げるのか」「なぜ5日なのか」といった声が寄せられた。国の基準と自治体の判断を取材した。

 神戸市ではこれまで、感染者が1人出て、発症や検体採取日の2日前までに登校園があった場合は、そのクラス全員にPCR検査を実施し、全員の検査結果が出るまで学級閉鎖にしていた。

 だが、感染者の急増で検査が追いつかず、今月26日に対応を変更。PCR検査の対象は濃厚接触者のみとし、それ以外の児童生徒は、土日を含めた5日間の学級閉鎖期間に体調の変化がなければ登校できるようにする。

 文部科学省のガイドラインは、クラスで複数人の感染者が出るなどした場合、コロナの潜伏期間を考慮して学級閉鎖期間の目安を5~7日程度としており、多くの自治体がこの基準に沿っている。

 神戸市教育委員会は、感染者が1人でも学級閉鎖にするが、期間は文科省の指針を踏まえて「感染者との最終接触日から7日目までに相当する期間」とした。感染者の陽性が判明するのは、他の児童生徒との最終接触日から2日後になることが多いため、濃厚接触者ではない児童生徒が登校できない期間は「5日間」となる。

 文科省によると、濃厚接触者でない児童生徒の場合、潜伏期間中に感染症状や新たな感染者が出なければ、クラスを再開しても感染拡大のリスクが低いとみる。同省は「(変異株の)オミクロン株に関して新たな知見が得られれば、内容を更新する」とし、5日程度への短縮を検討している。

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 一方、独自に学級閉鎖の期間を短縮させる自治体もある。

 兵庫県加西市は新型コロナ対策のまん延防止等重点措置の適用に伴い、市医師会と協議して学級閉鎖の運用を変えた。期間を5~7日から3日程度と短くしつつ、従来は複数の感染者が出た場合とした基準を改め、1人の感染でも学級閉鎖にする。

 オミクロン株の感染力が強く、従来株よりも潜伏期間が短い特性を考慮したといい、加西市教委の担当者は「感染を防ぎ、子どもたちの学びも保障するための策。学校医とも相談しながら、状況をしっかり見極めて判断したい」と話す。(石沢菜々子、綱嶋葉名)

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 神戸新聞社は、読者の投稿や情報提供を基に取材を進める双方向型報道「スクープラボ」に取り組んでいます。身近な疑問や困りごとから、自治体や企業の不正告発まで、あなたの「調べてほしい」ことをお寄せください。LINEで友だち登録(無料)するか、ツイッターのダイレクトメッセージで投稿できます。皆さんと一緒に「スクープ」を生み出す場。ご参加をお待ちしています。

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