新型コロナウイルス禍で困窮する市民を支えるため、神戸市は2022年度、食料品や衛生用品の受け取りと、専門家による生活相談が、それぞれ無料で同時に受けられる催しを開く方針を固めた。コロナ禍が長引く中、市は行政の窓口に相談に訪れていない市民へのアプローチを図る。物品の提供で当面の生活を支援し、相談を通じて課題解決の糸口を見つけてもらうのが狙い。
各区役所の「くらし支援窓口」では新規の取扱件数が急増。19年度と比べて20年度は月平均約1500件と8倍、21年度は同約千件と5倍に増えた。相談を機に具体的な支援につながる人がいる一方、仕事や家庭の事情で来所できない人らが課題だった。
そこで市は今年5~7月の休日に月1回、体育館などを会場に無料での食料品配布や相談会を計画。収入や年代、家族構成といった条件は設けず、市民であれば誰でも利用できるようにする。3回で計2千人程度の利用を見込み、21年度補正予算案に事業費を盛り込む。
配るのは企業から寄付を募ったり、市で購入したりするレトルト食品や米など。生理用品やマスクなどの衛生用品も無償で配る。
相談会は職探しや法律、家計などの悩みに対し、ハローワーク職員や弁護士らが支援機関や制度などを紹介する形式を考えている。また会場運営にはアルバイト収入が減少した学生を雇用。農家の支援も兼ねて、規格外の野菜など生鮮品を市が買い上げて、低価格で販売する。(初鹿野俊)
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