新型コロナウイルスのオミクロン株による感染拡大が続く中、急増する自宅療養者への支援に自治体が頭を悩ませている。兵庫県や県内市町は、自宅療養に必要な食料品や日用品を希望者に配布しているが、数が限られ、一部で断らざるを得ないケースも出ている。各自治体は「日頃からレトルト食品や飲料、マスクなど必要最低限の備蓄を」と呼び掛けている。
県内の自宅療養者数は、11日午前0時時点で4万人を超えている。神戸市では、お年寄りや1人暮らしの自宅療養者らを対象に、1日当たり百数十個の支援セットを用意。保健所が電話で希望を聞き取り、必要性を判断している。
ただ1月末、1日当たり200セットを超える申し込みが殺到し、配送に最大で5日ほどかかったという。同市保健所は「本当に必要な人に素早く届くよう、家族や友人のサポート、宅配サービスを利用できる場合は申し込みを控えてほしい」と理解を求める。
無症状の場合、自宅療養期間が7日間に短縮されたことを受け、今月1日以降は10日分にしていたセットを5日分に変更し、スピードアップを図っている。
西宮市では、先月末から週300セットに増やして希望者の増加に対応。ただ、家族の人数にかかわらず1世帯1セットに制限して送っているという。
同市はホームページ上で「誰が感染してもおかしくない。自宅療養に備えて備蓄を」と発信している。市の担当者は「食べ慣れたレトルト食品やおやつ、飲料は多めに買って、定期的に消費して買い足す『ローリングストック』を心掛けてほしい」と強調する。
県も支援セットを希望者に送るが、担当者は「希望してからすぐに届くわけではない。災害の時と同じく自助努力が大切」と説明する。希望者からの電話が週末もやまないといい、「保健所などへの直接の問い合わせは控えてほしい」と注意を促している。(貝原加奈)
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