劇団四季の「ロボット・イン・ザ・ガーデン」が23日、京都劇場(JR京都駅ビル内)で上演される。16年ぶりのオリジナル一般ミュージカルとして、2020年に東京で開幕。近未来を舞台に、再生の旅を描く温かみのある作品だ。(田中真治)
原作は英国の同名小説。アンドロイドが普及した時代、両親を事故で亡くして無為に過ごすベンの家に、壊れかけの旧式ロボット・タングが現れる。親近感を抱き、修理のために米国や日本の秋葉原へ旅を続けるベンは自己と向き合い、家を出ていった妻エイミーへの愛に改めて気づく。
演出は小山ゆうな、台本・作詞は長田育恵と、劇団外から気鋭の2人が参加。ベン役の田辺真也は「どのせりふも選び抜かれた言葉で書かれている」と魅力を語る。初演からブラッシュアップされ、「成長していく心の変化が見やすくなっている」と意気込む。
鳥原ゆきみの演じるエイミーは、弁護士で自立した女性。演出について「舞台でやってきた明るさや優しさ以外の自分を認めてもらったことが、作品にもつながっている」と振り返る。コロナ禍の今こそ求められるメッセージとして、「身近にある小さな幸せの見つけ方を伝えられたら」と願う。
タングは俳優2人で操るパペット(人形)で表現。1人が頭部と右手、もう1人が胴体と左手を担う。重さは8キロもあり、「最初は歩かせることもままならなかった」と生形理菜。重量感や目の焦点を合わせるのも難しく、相方の渡辺寛中とはけんかが絶えなかったというが、「再演で表現の幅が広がり、生き生きと見えるようになってきた」と手応えを口にする。
ただその反面、「最初のポンコツ感をどう表現するかが難しく、すごく考えながらやっている」と渡辺。「俳優というよりもはや職人仕事」という繊細な動きも見どころだ。
4月16日まで。兵庫県内は7月18日にたつの、同20日に神戸で公演予定。劇団四季TEL0570・008・110
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