兵庫県立明石公園(明石市)の管理を巡り、明石市の泉房穂市長は3日、「市立の方がふさわしい」と述べ、一つの選択肢として市内部で検討し始めたことを明らかにした。同日の市議会一般質問で答弁した。
市立が望ましい理由として、大阪城や名古屋城、熊本城、姫路城など、城がある公園の多くが市立である点を挙げた。
市によると、明石公園は1918年以来、約100年にわたり兵庫県が管理してきた。泉市長は「市が財政負担できるか」「市民の賛同を得られるか」が、市立化を巡る論点と位置付けた。
県は現在、同公園の運営に民間企業の資金やノウハウを生かそうと可能性を探っており、調査結果を月内に公表する予定。
県の方針に対して泉市長は「お金のかからない公園にしようとしている印象だが、明石市にとって良いのかどうかは別問題」とした。市立化については、県と相談しながら対応する考えを示した。
一般質問の後に泉市長は神戸新聞社の取材に応じ、「市民にとってより身近な自治体である市が運営した方が、園内の樹木伐採や利用料金設定などの面で市民の考えを反映させやすい」と話した。
同公園を担当する県公園緑地課は「市議会で議論されている最中でもあり、コメントする段階にない」としている。
同公園を巡っては泉市長はこれまでも、樹木の伐採が「過剰」として県に考え直すよう求めたり、ボート利用料金の値上げに反対したりしている。(長尾亮太)