東京電力福島第1原発事故の発生から11年、被災地では鉄道や道路などインフラ復興は進んだが、いまだ住民の帰還がかなわない地域もある。町はどんな状況なのだろう。地元の人が案内するスタディーツアーに参加した。(長嶺麻子)
ツアーの一つ、「Fスタディツアー」は福島県いわき市の温泉旅館を発着点に、第1原発(同県双葉町、大熊町)の20キロ圏内を訪ねる。ガイドは旅館を経営する里見喜生さん(53)だ。
まず向かったのが大熊町の南に位置する富岡町。JR常磐線夜ノ森駅の東側を歩いた。2年前に同線は全線復旧し、駅周辺の立ち入りは可能になったものの、桜並木の名所として知られた住宅街はまだ帰還困難区域に指定されている。
この地での生活再建をあきらめて取り壊された家屋が多く、空き地が目立った。「ここは元々、子育て世代に大人気の場所で、空き地なんてなかった。子どももたくさんいて」。里見さんが教えてくれる。
事故直前に建ったのか、外観がまだ新しい家もぽつりぽつり。かと思えば、窓ガラスが割れるなど見るからに荒れ果てた家も。カラスなど野鳥が出入りしているらしい。
里見さんが空き地を指さして言う。「砂利が敷き詰められた土地は除染されたところ。黒い袋には除染土が詰まってます」。未除染と思われる道路脇の草地に線量計をかざすと、周囲より高い放射線量を示した。このあたりは国が先行除染やインフラ復旧を進め、来春の避難指示解除を目指しているが、人々が元の暮らしを取り戻すのはたやすくないと感じられた。
次は同町の田園地帯へ。かつて水田だったという土地には今、見渡す限りの太陽光パネルが並ぶ。「この風景を見て、福島を再生可能エネルギーの先進地のように言う人もいますが、実際は使えなくなった土地がやむなく手放された。パネルを設置しているのは首都圏の会社なんですよ」
原発事故による避難生活の過酷さや喪失感の大きさを物語る一つが東日本大震災の後、体調を崩すなどして亡くなった関連死者数。福島県は2329人(2021年9月、復興庁)と全体の約6割を占める。里見さんは「ふるさとがなくなり、元の生活に戻れない。生きる気力を失う。苦悩は続いている」と話した。
ツアーは富岡漁港、震災犠牲者の慰霊碑、資料館なども巡り、約4時間で終了。里見さんは「原発にはいろんな意見があるが、ありのままの姿を見てほしい」と事故後、友人らを案内するように。それが現在の形式に変わった。個人参加を中心に年間500人くらいを案内しており、新型コロナウイルスの感染拡大後も変わらないという。
「福島のことは電力を使う人すべてに関わること。特に都市部の人に知ってもらいたい」と里見さん。Fスタディツアーの日程などは要相談。同ツアー(いわき湯本温泉古滝屋内)TEL0246・43・2191
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