京都大卒で初めての落語家としても知られる笑福亭たまが、上方落語協会の「繁昌亭大賞」を受賞した記念寄席が14~20日、神戸新開地・喜楽館(神戸市兵庫区)である。たまが全日トリを務め、中トリに上方落語界の最長老・桂福団治や師匠の笑福亭福笑が出演。色物は太神楽(おおかぐら)で、お祝いムードを盛り上げる。
たまは1975年生まれの大阪府貝塚市出身で、98年入門。京大経済学部4年で落語研究会に入り、魅力を知った。実家がビリヤード場を経営していたことから「たま」と名付けられた。ショートコントの落語版「ショート落語」の名手という顔も。文化庁芸術祭新人賞など受賞も多数ある。
繁昌亭大賞は入門25年以下を対象にした上方落語協会の最大の賞で、たまは昨年12月に受賞が決まった。同11月、若手をトリの前の「モタレ」で起用する「上方プレミアム落語会」を喜楽館で開催するなど、企画力も評価された。
今回もベテランの笑福亭生喬(91年入門)らを2番手と早めに出演してもらい、その後に桂鯛蔵(2003年入門)、笑福亭智六(07年入門、神戸出身)ら後輩を起用。「後輩たちには普段より凝ったネタに挑戦してもらい、実力を見せてほしい」と狙いを語る。
自身は、得意のショート落語や古典、新作と毎日演目を変える予定。「師匠からは『受けるネタが正解』と自由に育ててもらった」とたま。「自分の感覚は古いかもしれないと危機感を持ち、後輩の斬新な新作にも学びながら、実力を高め続けたい」と新たな決意を見せる。
「繁昌亭大賞受賞お祝いウイーク」は午後2時開演。一般前売り2300円(同当日2800円)。喜楽館TEL078・335・7088
(金井恒幸)