地震が発生したとき、どのように行動すればいいのか-。消防庁は防災マニュアルとして、屋内外の場面ごとにとるべき行動を、ホームページ(HP)で公開している。同庁は「被害を最小限に抑えるには、慌てずに適切に行動することが極めて重要」と啓発しており、主な場面について紹介する。
■自宅
自宅では、棚やテレビなどが落ちる可能性があるので、丈夫な机やテーブルなどの下にもぐり、脚をしっかり握って待つ。その際、できれば頭を座布団などで保護する。就寝時は、窓ガラスや照明器具に注意し、寝具の下に潜り込んで身の安全を確保する。
風呂場ではタイルや鏡、トイレではタンクなどの落下に気を付け、ドアを開ける。台所では、食器棚や冷蔵庫、調理器具などに注意。コンロからは離れる。
揺れが収まったら、火を消し、転倒した家具や飛び散ったガラスなどに注意して窓や戸を開けて出口を確保する。
自宅以外で地震に遭遇することもあり、慣れていない場所では周りの危険物に注意が必要だ。
■職場
棚やロッカー、コピー機、パソコンなどから離れ、頭部を守って机の下に隠れる。窓ガラスが割れることがあるので、窓際からも距離を置く。避難するときは、落下物に注意し、エレベーターは使わないようにする。
■屋外
住宅地では、ブロック塀や石塀、電柱、自動販売機からは離れる。屋根瓦や室外機、植木鉢などが落下したり、窓ガラスが散乱したりする可能性があるので、頭上や周囲にも警戒。海岸にいた場合、高台や3階建て以上の建物を目指す。
消防庁のHPでは移動中の地震への対処法も紹介している。
■乗り物
車を運転中は、ハンドルをしっかり握り、前後の車に注意して徐々に速度を落とし、道路の左側に停車する。エンジンを切り、揺れが収まるまでは車外に出ない。避難が必要になれば、車のキーを付けたまま、連絡先を書き置きして徒歩で逃げる。高速道路では約1キロごとにある非常口から脱出する。
電車やバスでは、座っていれば姿勢を低くして頭部をかばんなどで保護し、立っている場合、手すりやつり革をしっかり握る。新幹線では、体が前に飛び出さないように前の座席につかまる。いずれも停車後は、乗務員の指示に従う。
(まとめ・井川朋宏)
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