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「名曲ラジオ」パーソナリティーの三浦紘朗さん。番組終了を知ったリスナーからリクエストが殺到しているという=神戸市中央区、ラジオ関西(撮影・長嶺麻子)
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「名曲ラジオ」パーソナリティーの三浦紘朗さん。番組終了を知ったリスナーからリクエストが殺到しているという=神戸市中央区、ラジオ関西(撮影・長嶺麻子)
毎土曜にはレコード室にこもり、リクエスト曲の音源をそろえてきた=神戸市中央区、ラジオ関西(撮影・長嶺麻子)
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毎土曜にはレコード室にこもり、リクエスト曲の音源をそろえてきた=神戸市中央区、ラジオ関西(撮影・長嶺麻子)

 元ラジオ関西アナウンサーの三浦紘朗さんが、2008年からパーソナリティーを務めてきたラジ関の人気番組「名曲ラジオ 三浦紘朗です」を、30日の放送で終了する。自身も担当した伝説的番組「電話リクエスト」の流れをくみ、懐かしの洋楽と柔らかな語りでリスナーを楽しませてきたが、80歳を迎えて番組の引退を決めた。ラジオに携わって57年、「リスナーには感謝しかない」と、静かな心境で残りの放送に臨む。

 ジャズ、ポピュラー、オールディーズ…。「名曲-」では、50~70年代ヒット曲がゆったりと流れる。合間にリクエストを読み上げ、「ようやく春めいてきました」と語る三浦さん。淡々としながら、ぬくもりのある口調。「事実を粛々と伝えようとした、阪神・淡路大震災の経験が染みついているんです」という。

 三浦さんは神戸市須磨区在住。41(昭和16)年生まれ、広島県尾道市出身で、小学生のころに洋楽に目覚め、ラジ関の「電話リクエスト」に出合った。

 52年に始まった同番組はリスナーから電話で洋楽のリクエストを受け付けた日本初の番組だ。他局も追随するなど「電リク」のスタイルを確立させた。

 三浦さんは熱烈なファンになり、65年、難関を突破してラジ関に入社。翌年、同番組を初めて任され「跳び上がるほどうれしかった」。2002年の定年退職後もフリーで活躍。05年から電リクをイメージした洋楽番組「名曲ラジオアワー」、08年から現在の「名曲-」を担当し、13年間で延べ約1万3千曲をかけてきた。

 リクエストの手段は電話からファクス、メールへと変わったが、リスナーとの関係性は変わらない。「知識や経験の豊富な人がいっぱいいる。一緒に音楽を楽しんでいます」。ただ、近頃は記憶力やアドリブに衰えを感じていたという。

 残りの放送は23、30日の2回(各午後6時~7時半)。最終回は、オープニングにホーギー・カーマイケル作曲の名曲「スターダスト」を流すなど、「電リクスタイル」で届ける。三浦さんは「電リクという輝かしい番組があったことを、ラジオを通じ心にとどめていただければ」と穏やかに笑う。

 番組ディレクターの五十嵐啓二さん(54)は「電リク放送当時から現役の三浦さんの番組引退は、『洋楽のラジ関』として一時代の終わりを感じる。代わりはいない」とし、同様の後番組は予定していない。三浦さんは、エフエム宝塚でのパーソナリティーは続けるという。(藤森恵一郎)

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